やまなし音遺産“雨端硯”

山梨県内にある“後世に残したい音”  第10回目は≪硯を作る音≫です。

元禄3年(1690年)、富士川の支流、雨畑川付近は黒一色の粘板岩の産地でした。

この粘板岩は粒子が細かいため、ムラや水分の吸収がなく墨おりが良い事から、硯の材料に最適!

元禄時代から最高級の硯「雨畑硯」が誕生しました。

そして今や、富士川町の、山梨県の、さらに全国的にも有名は伝統工芸品として守り続けられています。

最盛期には100人近くいた職人も、現在は5人くらい。

町内で、硯を作っているところも2軒になってしまったそうです。

そこで、今回は、その硯職人の一人 「甲斐雨端硯本舗」13代目雨宮彌太郎さんを訪れました。

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実は、雨端硯本舗さんの、初代雨宮孫右衛門さんが元禄3年に石を拾い、硯を制作したことが始まりなんです。

そこからずっと今まで、守り続けて13代目となりました。

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弥太郎さんのお父様12代目雨宮弥兵衛さんは「現代の名工」であった人物です。

弥太郎さんは、大学で彫刻美術を学んだ後、家業を継ぎました。

意識して硯を作り始めておよそ20年。

硯作りは、特に教えてもらったことはないという弥太郎さん。

小さい頃から、おじいちゃま、お父様の手伝いをしながら、

自分自身見よう見まねで覚えてきたそう。

この環境に生まれ、硯の匂い、硯の彫る音を聞いて育ってきました。

だからこそ、この道に進むことは、弥太郎さんにとってはごく自然のこと。

今は「これが天職」ともおっしゃっておりました。

これだけ丹精を込めて一つ一つ作り上げる硯の工程はいくつかあります。

「石取り」から始まり、「石造り」を経て、「荒彫り」、「仕上げ彫り」、「荒磨き」、「中磨き」、「仕上げ磨き」とあり、完成します。

作品は天然の鵜方を生かした形、円形の波、花といったデザインを彫り込んでいます。

硯を現代彫刻ととらえて作っている雨宮さん。

天然原石から一つ一つ手作りするため2つとして同じものはありません。

だから値も張りますが、全国の書道家が愛用するほどの逸材品です。

これからどんどん新しい物になっていくのではなく、どんどん当たり前なものになっていって、当たり前ながら深いものになっていけば嬉しいとおっしゃっておりました。

硯はこれを表現しよう!というものは少ないため、自分を捨てて、決まりきったものを作る。

そこが無限の深さをもっている気がして、硯作りの面白さということです。

長く、深い歴史を持った硯、山梨を代表する伝統工芸品の一つです。

 

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雨端硯本舗

住所/南巨摩郡富士川町鰍沢5411

電話/0556-27-0107

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