やまなし音遺産“甲州印伝”

山梨県内にある“後世に残したい音”  第11回目は≪鹿革をたたく音≫です。

山梨の伝統工芸のひとつ「印伝」は、鹿革に漆で模様を付けたものが特徴。

この革を使って、バッグやお財布、小物入れなど、さまざまな製品が作られています。

寛永、来航した外国人によりインド装飾革が幕府に献上された際に、「印伝」という名はインド伝来からという意味で名づけられたとも言われています。

今回は、甲州印伝の技法を生み出したと言われる上原勇七の伝統を守り続けている、

甲州印伝総本家『㈱印傳屋』へ伺いまして、上原伊三男専務にお話しを伺いました。

印傳屋は創業1582年。

なんと400年以上も伝統を守り続けていて、現在13代目です。

遡ると時代は「戦国時代」、この印伝の鹿革は、柔らかくて、軽いため体になじみ、強度を備えていることから、武具(鎧や兜)に愛用されていました。

そのため、模様にも意味があります。

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「勝負」と音を掛けた「菖蒲」、散り際がいいと好まれた「小桜」、「勝虫(かちむし)と言われる「トンボ」など、縁起を担ぐ模様が施されました。

今でも愛されている模様の一つです。

その印伝は大きく分けると工程は4つ。「染色、裁断、柄付け、縫製」

しかしその中に伝統的な技法があります。

それが「漆付け」「燻べ(ふすべ)」「更紗」

職人技が光るもっとも代表的な技法「漆付け」は鹿革の上に手彫りされた型紙を重ねてヘラを用いて漆を刷り込みます。

この技法を生み出した上原家では、「技」の継承を代々の「勇七」だけに口述で伝えてきました。現在では広くに公開されています。

つぎの「燻べ(ふすべ)」は、タイコと呼ばれる木の筒に鹿革を巻きつけ、薬を焚いて、松脂で燻して自然な色に仕上げます。日本唯一の革工芸。

そして、「更紗」。手彫りされた型紙を一色ごとに用い、鹿革に顔料で模様を付けます。

このようにして一つの甲州印伝の製品が出来上がってきます。

四方を山で囲まれた甲州だからこそ、古くから恵まれていた「漆」と「鹿革」。

こうして「甲州印伝」が誕生しました。

江戸時代後期に書かれた、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の中に「腰に下げたる、印伝の巾着を出だし、見せる」といった記述もあり、甲州印伝が当時から人々の間に親しまれていたことがわかります。

当時の上層階級に、巾着やたばこ入れが珍重されていたそうです。

それは今でもかわらず、歴史を経た模様、デザインは当時の浪漫を今も伝えています。

 

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株式会社印傳屋 上原勇七

◇本社

住所/甲府市川田町アリア201

◇本店

住所/甲府市中央3-11-15

電話/055-233-1100

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