やまなし音遺産“甲州鬼瓦”

山梨県内にある“後世に残したい音”  第22回目は≪甲州鬼瓦≫です。 

南アルプス市(旧若草町)加賀美という地区では、昔、瓦づくりがとても盛んでした。

それは、この地区は御勅使川扇状地の先端で、粒子の細かい粘土層が露出し、良質の水が手軽に取れたことからです。

この瓦づくりの起源は数百年前、江戸時代(約300年前)に始まったと言われ、幕末の甲府城修築のときには、瓦御用を務めるなど古い歴史と伝統を持っています。

そこで、平成元年にこれまでの技術を活かして「甲州鬼面瓦」が開発され、平成10年には代々受け継がれてきた伝統技術を一人でも多くの人に伝えたい、見て体験してもらいたいことから「若草瓦会館」が設立されました。

今回はこの「若草瓦会館」で瓦作りを教えている、学芸員の永利さんにお話を伺いました。

若草町加賀美の瓦作りは、明治36年の国鉄中央線の開通後、県外まで販路を拡大し、最盛期の昭和25年頃には、およそ30軒を数え、品質、生産量とともに県内随一を誇っていましたが、交通手段の発達、後継者不足、競争激化により、徐々に衰退し、昭和63年には全ての工場が閉鎖しました。

そのため、昔、お客さんは瓦屋の屋根を見て、立派でいいところに瓦作りを頼んでいたというほど、加賀美地区には立派な瓦屋根の家がたくさんあります。

また、庭を少し覗いてみると、たくさんの瓦が積まれている家も今もたくさんあります。

瓦作りはなくなっていても、販売はしているという名残はまだあります。

 

そんな瓦作りが幕を閉じてから生まれたのが、「甲州鬼面瓦」です。

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「鬼瓦」は、建物の安穏を願って棟などの端に飾られた鬼の形をした瓦。

実は、「鯱瓦」も、鬼の顔をしていなくても「鬼瓦」を一種。火除け祈願以外に権威の象徴でもありました。

鬼瓦は一般の家にも徐々に広がって行きましたが、他をにらみつけるので敬遠されて、鬼面ではなく、家紋なども作られました。

この鬼面瓦は1990年の十日市の発売をはじめ、その後、縁起物として人気を集めました。

そんな鬼瓦や飾り瓦を作る職人を「鬼師」といいます。

今回、お話を伺った、学芸員の永利さんは、若草瓦会館の館長であり、さらに、市内唯一の「鬼師」。この山梨県内にも数少ない「鬼師」の一人なんです。

現在は30歳。瓦作りを始めたのが4年前。

この若さで「鬼師」になったという永利さんも魅力的です。 

九州出身の永利さんは、大学進学を期にこの山梨に来ました。

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高校時代、絵を書く事をしていたという永利さんですが、身延山大学に進み、仏像の製作(彫刻)を学び、その延長で、革作りの世界へ入りました。

瓦作りの工程は、簡単に、土練り⇒型にはめる⇒乾燥⇒焼成⇒乾燥と、30cmくらいの鬼瓦を作るのに約3日かけて、すべてお一人で行っています。

その腕も認められて、先日オープンした道の駅富士川のしゃちほこ瓦も永利さんが製作したそうです。

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現在は、来年2月に行われる十日市に向けて、瓦作りはもちろんですが、ダルマ作りも既に取り掛かっています。

2年前から始めた、鬼瓦と同じ縁起物であるダルマ作りは、1000個を仕上げる予定。色づけ、顔入れも全て永利さんが行うんです。

この「瓦」の古い歴史と伝統を後世に・・・と、

地域と永利さんがしっかりと守り続けてくれています。

鬼面瓦製作体験教室も開かれています。

 

南アルプス市(旧若草町)加賀美地区に行くと、立派な瓦屋根、そしてお庭に積まれた瓦の多さに驚きます~♪

 

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若草瓦会館

住所/南アルプス市加賀美2605-5

電話/055-283-5870

FAX/055-283-5871

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