やまなし音遺産“甲州味噌”

山梨県内にある“後世に残したい音”  第24回目は〈麹を混ぜる音〉《甲州味噌》です。

 

「お味噌汁」それは日本の食卓を支える文化ですよね。

山梨県には、山梨ならではの「甲州味噌」があります。

この味噌作りに欠かせないものの一つが「麹」です。

麹は生き物のため、そのままにしておくと温度が上がり、固まっていくので、ほぐしながら温度を下げます。

そのように慎重に「麹」と扱い、この「麹」と大豆、そして塩から「甲州味噌」が生まれていくんです。

 

そこで、今回は甲州味噌を作っている五味醤油株式会社の五味洋子さんに、甲州味噌について伺いました。

五味醤油は明治元年より味噌・醤油の製造を始め、147年にわたって醸造業を家族で営んでいます。

現在は、味噌中心に醸造。家庭的な会社だからこそ、昔ながらの製法にこだわった手作りの良さがポイントです。

 

今日ご紹介するのは、この「甲州味噌」

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普通の味噌は、東北が中心の米麹を使ったサッパリ風味の米味噌

東海が中心の豆の麹を使ったコクのある八丁味噌

九州が中心の麦の麹を使った甘い味の麦味噌 の三種類に分けられます。

 

一方、わが山梨の「甲州味噌」は、米麹と麦麹をだいたい半分ずつミックスした「合わせ味噌」なんです。日本全国ではとても珍しい山梨独特の手法。

米味噌ベースのサッパリ味に麦の香ばしいコクが特徴。

そもそも、甲州味噌が誕生したのは、甲府は狭い盆地で斜面が多く、稲作に適していなかったため、米の収穫が少なく、関東味噌の特色である米麹だけでは、お味噌を作るには足りませんでした。そのため、裏作として麦も育てられたことがきっかけなんです。

このように「甲州味噌」が生まれたわけですが、どの味噌作りにも最も重要なのが「麹」。

五味醤油さんでは、一年通して麹を作っています。

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麹の部屋は麦と米で二つに分かれていました。麹の温度の上がり方によって、部屋の温度も調整します

 

五味さんのところでは、麹は手で混ぜていました。

手で混ぜるというのは、麹作りにおいて温度管理が大切。目安は人肌なので、人の手で温度を感じながら作ることを大事にして、全て手作業でおこなっています。

 

麹が完成したら、その後、大豆を煮て、麹と混ぜて樽で寝かせて発酵させることで味噌が出来上がりますが、工程の中で、一番手抜きできないのが、この「麹作り」だそうです。

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今の時期は、麹作りのほか、こんな作業もしていました。

唐辛子を潰して、味噌が完成した時に、味噌と一緒に混ぜるそうです。 

これは、夏ならではの作業。1回限りです。

唐辛子はこだわりの山梨鳴沢のものを使用。

その量は、およそ100kgです。

 

最後に、みその仕込み作業を担当する、6代目若旦那の

五味仁さんにもお話をうかがいました。

年間、大豆は20トン使い、およそ80トン仕込みます。

先代が築きあげてきた技術を守り続けています。

若旦那五味さんにとって、味噌作りは、可能性があるものだとおっしゃっておりました。

それは、甲州味噌はずっと続いてきた文化ですが、まだ知らない方も多い。

しかし、知らず知らずのうちに、ほうとうなので口にしていた甲州味噌なので、これからはもっと認知してもらい、残していかなければいけないものだと使命感を持って味噌作りをしているそうです。

その中では、「味噌」自体も身近に感じてもらおうと、最近では「手前みそ」をすすめ、「てまえみそのうた」を出したり、ワークショップなども行い、普及に努めていらっしゃいます。

 

山梨が誇る「甲州味噌」

どんな文化と歴史が詰まっているか・・・まずはご賞味あれ♪

 

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五味醤油株式会社(味工房 やまご)

住所/甲府市城東1-15-10

電話/055-233-3661

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