2012年11月アーカイブ

今週のインデックス…ひなづる漬
 


秋から冬にかけて、大根やニンジン、山芋といった根菜類の多くが収穫を迎えます。
漬けものにして楽しむという方もいらっしゃるのではないでしょうか?


今回紹介する、「ひなづる漬」もその一つ。
上野原市秋山地区で昔から栽培されている、「長かぶ」を醤油漬けにしたものです。

地元で自家用に作られていた漬物をベースに、昭和58年から秋山地区の特産品として生産されています。


ひなづる漬に使われるのは、「東京長かぶ」という品種。
大根のような形で地下の部分の長さが20センチ程度の長かぶを使用します。

栽培にあたっては、毎年希望者を募り、栽培面積に応じて種子を配り、収穫されたものを秋山地区の特産農産物振興協議会が買い取って商品化しています。

収穫された長かぶを水洗いした後、3週間ほど塩漬けにし、最後に醤油で味付けをして漬け込み、「ひなづる漬」の完成となります。


ところで、「ひなづる漬」という名前は、
村に伝わる伝説の主人公「雛鶴姫(ひなづるひめ)」にちなんで付けられました。

雛鶴姫というのは、鎌倉時代末期から建武の新政期の人物である、護良親王(もりよししんのう/もりながしんのう)の寵愛を受けたお姫様です。

動乱のさ中、親王は鎌倉で首をはねられ無念の最期を遂げます。
雛鶴姫は、親王の首を携え、鎌倉を逃れて京へ向かうのですが、折しも親王の子どもをお腹に宿しており、秋山地区まで逃げて来たときに産気づいてしまいます。
出産したものの、年末の凍てつく寒さと飢えで、雛鶴姫と生まれたばかりの子どもは亡くなってしまった・・・というものです。

この話は伝説で、文献や資料を用いた実証は困難とされていますが、
「雛鶴峠」、「雛鶴街道」、「雛鶴神社」という場所は現在でも存在しています・・。


そんな「ひなづる漬」、一般的な大根やかぶの漬物とは一味違った、甘辛い風味や歯切れの良さなどから年々人気が高まっています。
毎年、12月中旬から4月中旬にかけて、上野原市内のスーパーなどで購入することができます。


雛鶴姫の伝説にちなんだ場所を訪れながら、旬の味覚・ひなづる漬を買い求め、目で、舌でその地域を感じてみるのも、山梨の冬の楽しみ方ですねhappy01
 

  clover clover clover

「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!

今週のインデックスは…甲州ころ柿 


柿の収穫シーズンです。

この時季、家の軒下に皮を剥き終えた柿が行儀よく並べられているのを見かけます。
オレンジ色のカーテンは、冬の訪れを告げる風物詩です。


柿が色づくと医者が青くなる、と昔からよく言われるほど、柿にはビタミンCが豊富。
その他にも様々な成分が含まれていて、風邪やガンの予防、二日酔いの解消、さらには美肌に役立つと言われています。


そんな柿ですが、富有柿などそのままで美味しく食べられる「甘柿」と、
甲州百目柿などの渋みが強い「渋柿」に分けられます。

特に山梨で作られるころ柿の多くは「甲州百目柿」が使われています。
釣り鐘のような形をしているんです。

大きい物だと500g以上あるものもあります。
皮をむき太陽の光に当て、干すことで自然に渋みが無くなり甘くなります。


ころ柿の名前は、むかし農家の庭先に皮を剥いた柿を並べて、天日で乾燥させるときに、柿全体に日が当たるように、コロコロ位置を変えたことに由来しています。

甲州市松里地区は、甲州百目柿を使った「ころ柿」の発祥の地とされていまして、
戦国時代に武田信玄公の奨励により生産が始まったといわれています。

冬場の保存食としても重宝されました。

江戸時代には幕府に献上されるほどで、現在でも全国有数の「ころ柿」産地として知られています。

比較的気温が低いこと風通しが良く湿度が低いこと、日照時間が多いことが「ころ柿」作りに欠かせない条件です。
またどの面も平均的に乾かすことは大きい柿ほど難しく、

その意味で、甲州ころ柿は市場で高級品とされています。


   甲州ころ柿 美味しいですよね。
ゼリー状の果肉の食感が私は好きです!
濃厚なのに品があって自然な甘さがたまらないです。

甲州ころ柿は、海外からも高い評価をうけています。


ちなみに干し柿は大きく分けて2種類あって、
水分が25%-30%で糖分が結晶化した白い粉が付いているものが「ころ柿」
水分を半分くらい残したものは「あんぽ柿」として区別されているんです。


甲州ころ柿は山梨の伝統文化が生んだ、山梨ゆかりのドライフルーツ。
例年ですと来月上旬頃(12月)、出荷が始まります。

楽しみですね!!happy01


 clover clover clover

「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!


 

今週のインデックスは・・・鳴沢菜 


すっかり秋が深まり、maple紅葉も見頃を迎えました。
snow富士山が雪をかぶっている姿を見ると、間もなく寒い冬がやってくるのを実感しますthink

寒さとともに美味しさを増す食べ物の一つがお漬物ですね。
実は山梨県にもお漬物に最適な地元野菜があるのをご存じですか?

それが鳴沢菜

narusawana1.jpg

長年、鳴沢村で栽培されてきた伝統野菜です。
見た目は野沢菜や、大きくなったホウレンソウに似ています。
先月から今月にかけてちょうど収穫の最盛期を迎えています。

narusawana4.JPG


鳴沢菜の歴史は古く、江戸時代には既に栽培されていたと資料に残されています。

また、DNA調査の結果、ルーツは京都の長禅寺菜にあることが分かっているんです。
長い年月をかけて、富士北麓地域特有の水はけの良い火山灰土壌、富士の伏流水、気候といった環境が影響して、現在の鳴沢菜に変化したと考えられています。


昔はこの時季になると、乾燥させるために鳴沢菜を軒先に吊るしてある光景が季節の風物詩でした。

乾燥させた鳴沢菜は、必要に応じて水で戻し、おじやや味噌汁の具、また、おすいとんに入れて食べられていました。
青い野菜が不足する冬場の貴重な栄養源だったんですね。

鳴沢菜は柔らかく、食味がいいことから、最近では浅漬けにして食べるのが人気で、特に醤油漬けがおススメ。
歯ごたえがあって、中がすごく瑞々しくて、噛めば噛むほど甘みと旨みがでてきます。

narusawana3.jpg

おつまみにも合いますね~!happy01


この鳴沢菜を地域ブランドとして確立しようと、平成18年に地元農家の皆さんが集まり
「鳴沢菜クラブ」を設立して活動しています。

鳴沢菜の美味しい調理方法を紹介したり、鳴沢菜を身近に感じていただくためのイベントなどを実施しています。


narusawana7.JPG


鳴沢菜は2ヶ月ほどで収穫できることから、春先と秋の2回収穫することもあるようですが、寒さがだんだん厳しくなるこの時期が最高に美味しいんです!

narusawana5.JPG


山梨の気候風土が生んだ自然の恵みを、みなさんもぜひ一度ご賞味ください。
ごはんが進みますよ!wink

narusawana2.jpg



   clover clover clover

「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!


 

今週のインデックスは・・・おつけだんご 


大月市の郷土料理「おつけだんご」
皆さんは食べたことがありますか?

「だんご」という名前から、みたらしだんごとか、草だんごなどを想像してしまいがちですが・・・
違います。

おつけだんごとは、大根や里芋など、地元で採れた旬の野菜たっぷりの味噌味の汁に、地粉で作った「だんご」を入れた、すいとんに近い郷土料理です。

otsukedango2.jpg


大月市では、家庭料理として江戸時代から食べられてきたと伝えられています。

名前の由来は、「おみおつけ」と「だんご」、から「おつけだんご」となったとか、
「大月」の「だんご」から「おつけだんご」と呼ばれるようになったという説などがあります。

地粉を使った県内の郷土料理といえば「ほうとう」が有名ですが、「おつけだんご」もやはりお米が尊かった時代の代用食として食べられてきました。

しかし、最近では若い人の間で「おつけだんご」を知らない人が多く、このままでは大月の食文化が途絶えてしまうと危機感を覚えた地元の有志が「大月市おつけだんごの会」を結成し、食を通じた町興しも兼ねて活動しています。

活動の成果で、現在市内の10軒の飲食店でおつけだんごを食べることができるようになりました。
B-1グランプリの出場でもお馴染みです。

また「おつけだんご」のマスコットキャラクター「おつたろう」のデザインを市内の小中学生から募集し決定するなど「おつけだんご」をより身近に感じてもらう工夫もしています。


さて、今月24日、25日の土日に開催される「B-1グランプリ in KOFU甲府」に、
「おつけだんご」は、甲府とりもつ煮とともに出展します。
「おつたろう」も応援にかけつけますsign01


今回の「B-1グランプリ in KOFU甲府」は、
甲府駅周辺のよっちゃばれ広場、歴史公園、舞鶴城公園、山梨県庁敷地four会場に関東地区と東海地区の16のB級グルメが出展します。

ちなみに「おつけだんご」は舞鶴城公園に、そして、「甲府とりもつ煮」は山梨県庁敷地にそれぞれ出展します。
また、中央のかすがモールでは、「山梨いいもの・うまいもの市」が同時開催されます。

こちらでは、県内のご当地グルメや特産品が販売されます。
どこから巡るか、悩んでしまいますねhappy02

食欲の秋にぴったりなイベント、いまから、楽しみです!
 

   clover clover clover

「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!

 

今週のインデックスは・・・めまき


 富士河口湖町の郷土料理である「めまき」は、富士山信仰で、
信者の「もてなし」などを行う御師(おし)の家で提供される料理の一つでした。 

めまき.JPG


めまきは、河口湖で獲れた魚をアラメ昆布で巻いて煮詰めて作ります。
アラメを巻く、メ(()布=食用となる海草の総称)を巻くので、
「めまき」と呼ばれるようになったと言われています。

材料になる魚は、現在ではワカサギを使うのが一般的です。
醤油・砂糖・酒などの調味料で長時間煮込んで作ることから、保存が効き、
富士登山の携帯食としてもとても重宝されました。


大きさは手のひら程のサイズで、形は三角形。
これは、fuji富士山の形に似せたもの」などと言われています。

また、アラメ昆布の巻き終わりを楊枝で留めるのですが、その楊枝は、
「富士登山に使われる金剛杖(こんごうづえ)を表している」などと言われています。

めまきは栄養価が高く、特にカルシウムが豊富。各家庭では、子どもたちにめまきの由来を教えながら食べさせ、伝統を次の世代へと伝えているんですよ。

めまき_(拡大).JPG


ところで、富士河口湖町河口地区で、かつてめまきを提供していた御師の家は、最盛期には140軒以上ありましたが、現在は一軒も残っていません。

しかし今年、住民グループ「上の坊(じょうのぼう)プロジェクト」が、「食」を通じて、
改めて富士山信仰の歴史を知ってもらおうと、江戸時代の御師料理を再現しました。

この料理は河口浅間神社の夏の例大祭にあわせて、河口の飲食店「峠の茶屋」で一般の方に提供されました。この取り組みは、来年7月にも実施されるそうです。



さて、来年1月から11月まで、山梨県で国民文化祭が開催されます。

国民文化祭は、全国各地から様々な文化活動に親しんでいる個人や団体が集まり、発表、競演、交流する、日本最大級の文化の祭典です。

県内市町村でも様々なイベントが行われますが、富士吉田市では、国民文化祭の一環として、御師料理を販売・提供する方針です。

私達も御師料理を食べる機会に恵まれそうですhappy01


11月の富士五湖地域は、maple紅葉をはじめ、季節ならではのレジャーであるワカサギ釣りなどを楽しむことができます。
やまなしの歴史や文化に触れ、これから始まる国民文化祭をみんなで盛り上げていきましょう!
 


  clover clover clover

「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!

 

2019年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

カテゴリ