甲武信ユネスコエコパーク登録

8月は山の日にちなんで「山」にまつわる特集をお送りします。8月11日に第4回「山の日」全国大会が山梨県内で開催されます。今回は今年の6月に登録された甲武信ユネスコエコパークについて、県みどり自然課自然公園担当の上杉浩一さんに伺います。
 
小松アナ:ユネスコエコパークについて教えてください。
上杉さん:ユネスコエコパークとは生物圏保存地域のことで、1976 年にユネスコがはじめました。世界遺産が、手つかずの自然を守ることを原則とする一方、ユネスコエコパークは、自然と人間社会の共生が目的です。登録総数は、124か国、701地域。「甲武信」は、国内10 か所目の登録となり、県内では、2014年の「南アルプス」に次いで2カ所目です。
 
小松アナ:甲武信とはどのような環境なのですか? 
上杉さん:甲武信ヶ岳、金峰山、雲取山等の日本百名山に挙げられる山々が連なる奥秩父主稜を中心に、荒川、多摩川、笛吹川、千曲川源流部及びその周辺地域をエリアとしています。この地域は、山岳や森に加えて御岳昇仙峡等の渓谷など四季折々に彩りを変える日本的で素朴な美しい自然に恵まれており、首都圏近郊にありながら、貴重な生態系が広く保全されています。また、民俗芸能が保全・伝承され、山岳・神社信仰にまつわる多様な文化が、今もなお息づいている地域でもあります。さらに首都圏や周辺地域の水源域でもあり森づくりや自然保護等に取り組む団体や事業者、地域住民も多いことも特徴です。
 
小松アナ:今回登録されたことで今後どのような効果が期待できますか?
上杉さん:今回の登録を契機に、それぞれの地域において、教育や研修、エコツーリズムなどを通じた、保全活動の担い手の育成、自然と人間社会との共生に関する取り組みが一層活発になることが期待されます。また、世界的な評価を受けたことで、農林産物等の販売の促進のほか、観光面においても、これまで以上に多くの観光客が訪れることを願っています。
ユネスコエコパークへの登録はゴールではなく、スタートです。引き続き、ユネスコエコパークの理念である自然環境の保全と地域資源の持続可能な利活用に向けて、活動を推進していきます。
 
次回は、「山梨夏っ子きのこ」です。
 
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