8分の7

Pocket

思い出や経験をして得たものをしまう「箱」がありまして。
その中にまたいくつかの仕切りとか鍵がついている小箱とかがあって、自分ではわかる程度に整理されているもので。
そして現実世界で直面した出来事に対して、その「箱」の中から何か使えるものはないかなと漁ってみて、「あ、これそのまま使えるじゃん」と小さくガッツポーズすることもあれば、「箱を全部ひっくり返しても見つからん」と自分の小ささに打ちひしがれることもある。
同じような経験があれば、古いものに別れを告げて新しいものに新調したりもする。

 

社会人になって丸7年。
僕の「箱」は、そのほとんどがこの7年で得たもので埋まっている気がする。
もちろん学生時代の甘酸っぱかったりほろ苦かったりする小箱もあるにはあるが、滅多に開けることはない。
有難いことに簡単に極めることが出来ない仕事をしているので、この「箱」の新陳代謝は激しい方。アップデートを怠ると、それを取り返すのに倍の労力がいる。
それでも最初の2、3年に比べればマシになってはいると思うけど、その感覚は忘れていない。

 

新陳代謝を高めていた大きな要因には「回数」や「頻度」があって、毎日のように触れていれば自ずとアップデートが必要で。
僕にとってこの7年で最もその役割を担っていたのが、「ててて!TV」。
初めてのテレビの仕事もそうだったし、卒業の日までウィークデーの大きな部分を占めていて。
ここで得た経験や知識がどんどん「箱」を満たしていくのがわかったし、番組外の所でも何度もその「箱」を開いては助けてもらった。

思い返してみると、その「箱」はひとりでに流れ込んでくるように満たされたのではなく、自分のまわりの人達が各々の「箱」の中身を持ち出してはそれを受け取るという作業が繰り返されて増えていったもの。
まず間違いなく僕は受け取る側に専念していたので、感謝。
まだまだ外に持ち出して周りにどうこう出来るほど熟成していないのですぐに還元できないのが心苦しい気もするけど、いつかそのタイミングがくるまでこの「箱」の中身を大切にしておきたい。

 

レギュラー番組という言葉では語り尽くせない存在から離れるのは正直、不安。
でも離れるからこそ違う小箱がまた増やせると考えれば、これもまた良かったと言えるのかも。
それもこれも自分次第、この「箱」を持って8年目も歩いていこう。

 

 

ここまでご覧になってくれた皆さん、ありがとうございました。
引き続き、番組は続きますのでどうぞご贔屓に。

2021年3月23日 12:17

ホームへ戻る

カテゴリ