2015年1月アーカイブ

今回のインデックスは…一之酉祭典


1月は新年のお祭りを特集しています。
4回目の今回は市川三郷町上野にある表門(うわと)神社に古くから伝わる祭り、一之酉祭典です。


祭典が行われるのは毎年2月の第一日曜日。
少しずつ春の暖かさが顔を覗かせる時期に行われますので、甲府盆地に春を告げるお祭りと言われています。

祭の当日は、表門神楽保存会のみなさんが「須佐之男命(すさのおのみこと)」などの木彫りの面を付けて、町の文化財に指定されている「太々(だいだい)神楽」の「大蛇(おろち)退治の舞」などを披露します。神楽は全部で14座もあって、夕方までかけて奉納が行われます。

この太々神楽、始まったのは、今からおよそ2300年も前。表門神社が鎮座した弥生時代からと言われています。

後世になり、甲斐守(かいのかみ)の逸見冠者源義清が鎮守としてこれを敬い、館の中に神輿を迎え、神楽を奏して御台所祭(みだいどころまつり)を行って以来、毎年必ずこれを行ったことから、甲州でもっとも古い神様であると称されています。

義清がはじめて館中に神輿を迎え、神楽を奏したのが酉の日であったことに基づき、今でも2月最初の酉の日を大神事としています。

奉納される神楽は、典雅な奏楽のまにまに、それぞれの衣裳と面をつけ、一切無言、身振手振りのみで真心を以って優雅に、荘厳に演舞します。

また、この他にも、昭和15年以来70年以上続く、表門神社の氏子の小学6年生女子による舞、「浦安の舞」の奉納も行われます。  


この表門(うわと)神社の祭神は倉稲魂命(ウガノミタマノミコト)、天照大神(アマテラスオオミカミ)、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)のほか、大聖文殊(たいせいもんじゅ)が祀られています。大聖文殊は学びの神、知恵文殊として信仰されており、ここ表門神社は日本三文殊の一つとして崇められています。


千年の伝統を誇る一之酉祭典での厳かな太々神楽の舞はもちろん、知恵文殊として知られる受験生の願掛けスポットの一つでもある表門神社。
新たな年の始まりに、ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。


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1月は県内の新年のお祭りを特集しています。
3回目の今回は甲斐市宇津谷にある金山神社で、毎年1月28日に開催される金剛地金山神社祭典です。


金山神社の祭神、金山猿田彦命(かなやまさるたひこのみこと)は、子授けの神としての信仰も厚いことから、祭典は「金剛地の子宝祭り」とも呼ばれています。

御神体は金属の製鉄のために火をおこす道具である鞴(ふいご)です。鍛冶屋さんが使う火力を高めるために用いる送風道具です。

この神社の氏子は通称「小林組」といわれる鍛冶職人の子孫で、戦国時代は武田支配下で刀などを製造していたと伝えられています。ですからご神体が鞴なのです。

また、子孫繁栄を意味する男女の性器に似た自然石も祀られています。

そんな金山神社で行われる金剛地金山神社祭典、その歴史は江戸時代中期、寛保年間(1741~1744)からと伝えられ、毎年1月28日に子孫繁栄を願い、米の粉を練り、男女の性器を形づくり、ゆでてアンコをつけ、神前に供えます。

子授けの神としての信仰も厚い金山猿田彦命、事前に予約すれば氏子以外の人も供物を得ることができるので祭典当日は遠くから訪れる人もいて、子授けの祭り、子宝のパワースポットとして多くの人々に知られています。

このお祭りは平成14年甲斐市指定の無形民俗文化財にもなっています。
甲斐市のHPではこのお祭りの様子を撮影した動画も見られますので、興味を持たれた方はチェックしてみて下さい。

子宝に恵まれたい方、金剛地金山神社祭典にご参加してみてはいかがでしょうか。


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今回のインデックスは…八幡北打ちばやし


1月は県内の新年のお祭りを特集しています。
2回目の今回は山梨市の八幡北打ちばやしです。

山梨市北に江戸時代から伝わる天狗祭りでおこなわれる「八幡北打ちばやし」。
江戸中期の宝永年間の大火の際、住民の方々が防災祈願として天狗をまつったのが始まりといわれ、昭和59年に山梨市無形民族文化財に指定された郷上の誇るべき伝統芸能です。


私はその打ちばやし、つまり太鼓の練習場にお邪魔しています。

演奏をしてくれたのは八幡地区の小学5・6年生です。皆、指導者の先生を見ながら太鼓をたたいています。本番の18日に向けて日々練習を重ねています。

演奏している子どもたちにお話を聞いてみます。

5年生のミズキちゃんです。

Q:
リズムが独特だと思いましたが、太鼓を演奏してみていかがですか?

A:
師匠と同じことをやるように前を見ながら曲に合せたりして、結構大変です。

Q:
振付もありますから難しそうですね。本番当日はどんな演奏をしたいですか?

A:
間違えないでハッキリ音が出るように頑張りたいです。


6年生のツバサくんです。

Q:
太鼓のリズムは独特だと思いましたが、難しいですか?

A:
初めは難しかったですが、慣れてきました。去年もやっていましたのでその経験もあったので、それでやり易かったです。

Q:
本番はどんな演奏がしたいですか?

A:
ミスをせず、しっかりと声を出して行きたいです。


詳しいお話しを天狗祭打ちばやし保存会の鶴田かずとよさんに伺います。

Q:
当日子どもたちはお祭りで、どんな風に演奏するのですか?

A:
羽織袴、白足袋に草履を履きまして、顔をお化粧し、12か所を、最後に山神社の前でもう一度演奏します。

Q:
この太鼓の練習は11月からしているそうですが、子どもたちは上手になってきていますか?

A:
今の子どもは覚えが早く、もうだいぶ上手になりました。


天狗祭り当日は、花山車と太鼓の行列が窪八幡神社の大鳥居前を出発。裃姿の子どもたちが太鼓を打ち鳴らしたり、さい銭箱を担いだりしながら地区内を巡り、山神社まで歩くそうです。

18日の日曜日は、是非みなさんもこの太鼓の音色と子供たちの姿を見に、山梨市にお越しください。



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今週のインデックスは…俵転がし


1月は県内の新年のお祭りを特集します。
1回目の今回は上野原市に伝わる俵転がしです。


俵転がしは上野原市鶴島に江戸時代から伝えられている、県内でも非常に珍しい小正月行事です。

どんど焼きの前夜に地区の小中学生が特製の俵を転がしながら家々を回り、おめでたい文句を囃しながら、土間や屋敷に俵を放り込んで無病息災や商売繁盛を祈り、お金や餅、お菓子などをもらう行事です。

駒門地区では
「千俵、万俵、七福神が舞い込んだ。」
と囃しながら米俵に杉の葉や、わらを詰め込んで作った大きな俵を大勢で転がし回ります。

俵転がしで家々を回るのは駒門地区の育成会に所属する小学1年生から中学3年生までの子供たち。平成26年度では小学生6人、中学生5人の合計11人となっています。この子供達が昼12時30分に地区内にある薬師堂に集合して俵を持ち地区内の家を一軒ずつ回っていきます。全ての家を回るため、おおむね60~70軒を夕方4時くらいまでかけて回ります。

ちなみに俵は非常に軽く作られていて、子どもでも十分に転がせるものになっています。この俵も代々引き継がれ、使った後は大切に保管して
翌年また使っているそうです。家々を回る際には正月飾りを回収し、翌日の朝から行われるどんど焼きに使っているとのこと。


そして上野原市といえば「酒まんじゅう」が有名ですね。
良質の小麦粉の産地として知られた上野原、その気候と水質は麹発酵による醸成に適するという事で古くから酒まんじゅうが作られてきました。

かつて旧上野原町は、甲斐絹の里として江戸と甲州の商人の出入りで賑わい、甲州街道沿いに市がたち、近隣の農家の人たちが織り上げた
甲斐絹が江戸で盛んに取引されていました。そんな中酒まんじゅうは、この市に集まった商人に愛され、味の良さも広く宣伝されていき、数件ある酒まんじゅう屋は、先を争って買う客で長い列が出来たといいます。

俵転がしで家々を回る子どもたちも酒まんじゅうを貰ったりするんでしょうか?寒い日に外で食べる酒まんじゅうはさぞ美味しいでしょうね。


俵ころがしのように古くから地域に受け継がれている伝統を守っていくことは地域の文化を守っていくこと。これから成長していく子ども達が参加する行事は今後も大切に受け継いでいって欲しいものですね。

皆さんもお住まいの地域にある伝統行事などに改めて注目し、新年という機会に参加してみてはいかがでしょうか?


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