第9回「横山酒造店」(5月31日放送)
その昔、富士川舟運で栄えた南部町。
中心街のY字路、三角形の敷地に、
「横山酒造店」があります。
大正5年に建てられた、木造の店舗兼住宅。
前面が立て板状の、いわゆる看板建築です。
擬石仕上げの、重厚感ある外壁。
2階の立ち上がり部分には、
優雅な曲線も使われています。
当初は2階建てでしたが、道路の拡張に伴い、
昭和28年頃から3階建てに増築するなど、
様々な改修が行われています。
1階は、町家風に太い柱や梁が。
廊下の天井には、洋風の明かり取り。
浴室の天井は数寄屋風、自然の素材が用いられています。
増改築が繰り返されても、
和と洋が、ほどよく合わさったデザインで、
大正から昭和初期の貴重な看板建築として、
今年、国の登録有形文化財となりました。
2016年5月31日 21:59