紹介した建物

第18回「東山梨郡役所」(8月2日放送)

第18回東山梨郡役所フォーマット

 

愛知県犬山市の明治村。
広大な敷地に、たくさんの貴重な近代建築が移築されています。

 

存在感を放つ白亜の建物が、
かつて山梨市(小原西・旧東山梨郡日下部町or日下部村)にあった「東山梨郡役所」です。

明治18年に誕生した新しい庁舎は、当時の県令・藤村紫朗が推奨した、洋風に似せた擬洋風建築。

縦に溝のある「胡麻殻决り」の丸柱は、西洋のゴシック建築のよう。

煉瓦造に見られる「隅石積」を模して、黒の漆喰で塗られた出隅が、キリリと締まった表情を与えています。

中央部分が二階建、左右翼屋は平家建のため、屋根は複雑に架かっています。
中央の大屋根は、大規模な木造建築に適した、「キング・ポスト・トラス」。平屋部分は、日本の伝統的な「和小屋」です。

屋内も和洋折衷、純粋な洋風建築にはない面白さが見られます。照明の中心飾りは、花鳥風月をあしらった漆喰塗。

地域の職人たちが、当時の官庁建築の特徴を踏まえながら、ところどころに洋風の意匠を施しました。

 

山梨から愛知へと移された後も、以前と変わらぬ姿で、訪れる観光客の目を楽しませています。

2016年8月2日 23:00