第23回「山梨大学 水晶庫」(9月6日放送)
甲府市にある、山梨大学。
教育学部のキャンパス内に、
小さいながら頑丈そうな建物が残されています。
「水晶庫」です。
薬種業を営んでいた百瀬康吉が、
本業のかたわらに蒐集した貴重な水晶の、
展示・保管を行うため、昭和2年に建てられました。
保管を任された、当時の県師範学校は、
不燃性の建物の建設を県に要請。
当時としては立派な、鉄筋コンクリート造りとなったのです。
建物全体が、水晶をイメージしたデザイン。
柱は面取りし、六角柱に見立てています。
正面入り口上部には、原石や、
水晶産出地「水が森」の装飾が施されています。
戦時中、教師と学生は水晶を守るため、
防弾壁と竹で、建物を覆いました。
戦後は、GHQに接収されないよう、
藁と牛糞でカモフラージュしたといいます。
現在、百瀬コレクションは、
県庁防災新館のジュエリーミュージアムに移され、
水晶庫の中には、防災用品が備蓄されています。
水晶の産地として知られた山梨で、
先人達が、まさに命がけで守った歴史の残る建物です。
2016年9月6日 23:00