第32回「勝沼堰堤」(11月8日放送)
石積み堰堤でせき止め、その脇の岩盤を切削、
岩盤自体を堰堤としています。
高さは18.3メートル、幅38.5メートル、
総体規模は84メートルにも及びます。
日本で最初にコンクリートを使用した、
南アルプス市の「芦安堰堤」、
その工事の前年に、
こちらで基礎の一部にコンクリートが用いられ、
その実績により「芦安堰堤」に、
コンクリートが採用されました。
滝の部分にも、
川の勢いを弱める「ウォータークッション法」という、
当時の最新技術が使われています。
近代砂防技術の確立に向けた、
初期段階の貴重な近代土木遺産でありながら、
あたかも自然の滝のような景観。
建設当初の状態が、良好に保存されている点も認められ、
平成9年、国の登録文化財となりました。
水害と闘うために築かれた堰堤は、
下流域でのブドウ栽培の拡大にも貢献。
水神が祀られ、地域の皆さんに愛される滝となったのです。
2016年11月8日 23:00