紹介した建物

第34回「甲府法人会館」(11月22日放送)

#34甲府法人会館フォーマット

 

甲府市中央4丁目、

遊亀通りと鍛治町通りの角にある「甲府法人会館」。

大正15年に建てられた、

県内に現存する最古の鉄筋コンクリート造、

三階建てのビルです。

 

設計・施工は、県建築士会初代会長を務めた、

内藤工業所の内藤半二郎。

 

「甲府商工会議所」が建設し、

市庁舎として使われていたこともありました。

戦時中は軍が使用したため、

機密文書や機関銃が保管されていたと言われます。

 

「関東大震災」の経験を踏まえた堅牢な構造は、

近年の調査で、

マグニチュード8.5の地震に耐えられることがわかっています。

 

中へ入ると…、

建設当時のままの人造大理石や、

建具、照明器具を見ることができます。

 

扉のガラスは、戦前の建物でよく見られる型押しガラス。

どの部屋も、2方向以上に避難でき、

人の安全を最優先に作られたと言われます。

 

3階にある、甲府で最初に作られたホールでは、

内天井を外し、

建築当時の色ガラス天井を再現したものを見ることができます。

 

 

文化価値が高い建物として、

建築家・清家清氏の進言と県法人会の理解により、

建設当時の姿への復元が進められました。

 

戦災をまぬがれた数少ない建物のひとつであり、

現代の建築につながる規範(基準・スタンダード)となるものとして、

平成8年12月20日文化庁から登録有形文化財に指定。

 

現在は1階に郵便局が入る複合ビルとして大切に活用されています。

2016年11月22日 23:00