第36回「種徳館」(12月6日放送)
広大な自然の中のレジャースポット、
都留市の「戸沢の森・和みの里」。
「種徳館」は、明治24年に作られた、
「日本で最初の公民館」といわれる建物です。
元は、都留市境集落にある、
天野家の敷地内にありました。
銅板葺きの、蔵造り2階建てで、
当時の郡内では数少ない、
洋風の意匠を取り入れた、
和洋折衷の建物。
外壁は、漆喰塗りの上から、
下見板が打ち付けられています。
建物を作ったのは、境の名主の家に生まれ、
幕末に、東京・品川沖の砲台・お台場建設に携わり、
財を成した天野開三。
「種徳」とは「広く徳を世に施すこと」という意味で、
晩年の開三が、
青少年の修身鍛錬の場として提供したものです。
1、2階共に80畳の広さを持ち、
2階には、モダンなシャンデリアが付けられるなど、
所々に、洋風の装飾が施されています。
中央玄関の上には、半円形のバルコニー。
開三はここから、
心身修養に励む若者たちの姿を眺めていたのでしょうか。
その後、地域の集会施設として、
また太平洋戦争末期には、
学童疎開児童のための教室としても使用されました。
広く公共のために役立てたいとの思いから誕生した建物です。
2016年12月6日 23:00