第37回「中央本線」(12月13日放送)
甲府市飯田、建設会社の入口に、
明治時代の機関車が展示してあります。
中央本線の建設工事を早急に進めるため、
土砂運搬用に導入された、
当時の最新鋭機、米国プリマス社の機関車です。
甲府から東京まで、
甲州街道で3日かかった明治の半ば、
鉄道を願う県民運動が巻き起こりました。
資金難などを乗り越え、悲願の幹線鉄道、
中央本線の建設が始まります。
山が連なる中、最も困難だった工事が、笹子トンネル。
掘削には、空気圧縮機や蒸気機関、電燈など、
当時の最新機器が初めて使用されました。
6年の歳月を経て、明治35年に開通。
明治を代表する2人の政治家、
伊藤博文と山県有朋の額があることからも、
いかに重要な鉄道だったか、
うかがい知ることができます。
笹子トンネル開通翌年の明治36年、
甲府駅が開業。
「かふふ」は「こうふ」の歴史的仮名遣いで、
当時は「かふふえき」として親しまれていました。
1番ホームにある「煉瓦ひろば」は、
駅にまつわる歴史遺産を集めたもの。
貨車のランプを保管していた、
煉瓦倉庫の一部も残されています。
古い柱は、ホームとホームを渡す、
「跨線橋」に使われていたもの。
火災を知らせた釣鐘、
台座に置かれているレールは、
ドイツのウニオン社が1903年に製造したものです。
中央本線の開通により、
短時間で東京との行き来が可能となり、
物流も、迅速で豊かなものとなりました。
山梨の発展に、大きく貢献した幹線鉄道です。
2016年12月13日 23:00