第41回「南甲府駅」(1月10日放送)
甲府市南口町、JR東海・身延線の「南甲府駅」。
駅舎は、昭和3年に建てられました。
鉄筋コンクリート造りの2階建て。
身延線内で群を抜いて、重厚な構えの駅舎です
鳥とブドウをモチーフに、
設計・デザインされたと考えられています。
身延線は、昭和16年に国鉄が買収するまで、
「富士身延鉄道」という私鉄でした。
大正2年の開業以来、徐々に延長し、
15年後の昭和3年、富士・甲府間が全線開通。
当時、周囲には倉庫が立ち並び、
甲府市南部の工業地帯への物資の拠点駅、
「甲府南口駅」として、官庁のような趣の、
大きな駅舎が作られました。
「富士身延鉄道」の本社も、こちらにありました。
待合室入り口の屋根には、
モダンなデザインの方杖。
窓には、優美なステンドグラスも付けられました。
改札前の柱には、レールが使われています。
当時は貴賓室も設置され、
室内にあったステンドグラスが残されています。
二階には食堂、さらに屋上庭園もありました。
開業当時の姿を残す駅舎が、数少なくなった現在。
甲府市南部の開発・物流の拠点として、
地域の発展に貢献した駅は、今も、風格ある姿で、
人々を迎え入れています。
2017年1月10日 23:00