紹介した建物

第42回「ワイン資料館」(1月17日放送)

#42ワイン資料館

 

甲州市勝沼にある「ワイン資料館」。

 

明治37年に建てられた、

横に長い「蔵造り」の建物は、

日本最古の木造ワイン醸造所「宮崎第二醸造所」です。

 

日本的な土蔵に見えますが、

内部の小屋組には、

西洋式のトラス工法が採用されています。

 

外側は分厚い土蔵に漆喰塗りと、なまこ壁。

 

煙出しの突き上げ屋根に、下屋も付けられています。

 

すべて洋風にしなかったのは、

日本でのワイン造りという、矜持があったからでしょうか。

 

明治10年、山梨から2人の若者が、

ワイン造りを学ぶべく、フランスへ派遣されました。

 

この時、泣く泣くフランス行きを諦めた若者が、

後に、「甲斐産ブドウ酒」を造った「宮崎光太郎」です。

 

「宮崎第二醸造所」には、

水路・水車や、圧搾機が備えられ、

一段高いところでは、

桶や樽を使って発酵が行われました。

 

その下には、熟成が行われる、

半地下式、石積みの夏でも涼しい貯蔵庫があります。

 

日本ワインの夜明け、

黎明期のワイン造りの様子がわかる貴重な資料館であり、

勝沼そして日本のワイン産業発展に、

多大な功績を遺した建物です。

2017年1月17日 23:00