第45回「杉浦醫院」(昭和町)
昭和町の「杉浦醫院」は、
「地方病」と呼ばれた「日本住血吸虫症」の、
原因を解明し、
撲滅に取り組んだ杉浦健造・三郎父子、
その研究と治療の拠点でした。
昭和4年に誕生した木造2階建の建物は、
玄関に入母屋屋根のある、医院建築。
死を覚悟するほど恐れられた地方病、
多くの患者が治療を受けた診察室などが、
ほぼ当時のまま残されています。
現在は「地方病資料館」として公開されています。
約3,300平方メートルの広大な敷地。
医院の隣には、明治時代に建てられた母屋が。
患者を癒したであろう、
苔と紅葉が美しい庭園もあります。
裏手にある土蔵と納屋は、
民具や農具など、
郷土資料が展示されたギャラリーに。
昭和4年の上棟式の祝宴で使われた、
貴重な食器も見ることができます。
社交家だった父・建造、研究の虫だった子・三郎。
「百年戦争」と言われた地方病の、
撲滅に尽力した父子の多大な功績と、
地方病と闘った地域の歴史を、
後世に語り継ぐための重要な拠点です。
2017年2月7日 23:00