紹介した建物

第47回「甲府カトリック教会」

 

甲府市中央の「甲府カトリック教会」。

 

大正14年に建てられ、

昭和20年の甲府空襲をまぬがれた、

市内に唯一現存する、戦前のキリスト教会建築です。

 

設計は、ドルワール・ド・レゼー神父。

 

木造一部2階建、

外壁はモルタル・石造風仕上げ。

 

東と南に入口がありますが、

完成当時は東側のみで、聖堂内も畳敷きでした。

 

静謐な空間に、アーチ窓が並んでいます。

 

内陣部にあるのは、昭和3年に、

ブーブ神父が設置した6体の聖像。

 

中には、珍しい武士の姿の聖人も。

 

肥前出身のトマス篭手田、

キリシタンの弾圧で、40歳で殉教しました。

 

格子天井のマス目には、

百合や碇、十字架などのモチーフが描かれています。

 

文明開化と共に、山梨の教育や社会福祉活動にも、

大きな影響を与えたキリスト教。

 

戦火をくぐり抜けた建物は、現在も、

多くの人々の心の拠り所となっています。

2017年3月30日 14:18