腕の見せ所

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大人になってよかったことの一つに、「自由にお金を使えるようになる」というものがあります。

子どもの頃は「ちゃんと欲しいものをよく考えて使いなさい」と口酸っぱく言われたお年玉をもとに、あーでもないこーでもないと頭を捻らせて使いどころを模索したものです。

ゲームソフト1本買うのだって、その後の生活を揺るがしかねない決断が求められていました。何度見返しても変わるはずのないお財布の中身とにらめっこしては、ため息をつく。

そんな経験をしたことがある人は、きっと多いはず。

 

でも、大人はどうでしょう。

もちろん無限の資金力とまでは言わないにしても、ちょっと飲みに行くかと思い立てば焼き鳥屋さんでゲームソフト1本分くらいのお金は使うでしょうし、今日は焼き肉が食べたいなと思えば、その日の夜には厚めのタン塩をつついているでしょうし。

自由には責任が伴いますが、それも含めて大人には自由が許されています。

 

こんな時間が永遠に続くのか、と思っていた当時の僕。考えが甘いぞ。

 

あくまでこれは独身時代の話。

家族ができればそうはいかないのが世の常というもの。

 

僕たちサラリーマンは年齢が上がるにつれてお給料も多少なりとも上がりますが、家庭を持つと「お小遣い」という絶対的な制度のもとで生活を送ることになります。

つまり、自由に使える毎月のお小遣いは定額です。少なくとも我が家では。

当然今の生活が成り立っているのは管理してくれている妻のおかげなので感謝しかないのですが、こちとら一度「自由」を知ってしまった身。

そうそう簡単に当時の感覚を取り戻すことはできません。

 

そんな折ですよ。

出会ってしまったわけです。憧れのレスポールに。

 

近年の物価上昇の煽りを多分に受けているギター。

僕が学生の頃と比べても1.5倍くらいの値段になっているんじゃないかと。

独身の時ならある程度思考を巡らせた後に「えいっ」と買ってしまっていたであろうものが、今はそうもいかず。

相変わらずお財布の中身は勝手には増えてくれませんし。不変の真理です。

 

そこで、大人になってよかったことの二つ目。

「交渉」です。

子どものときはどんなに一生懸命考えた理由をつけても、大人の首を縦に振らせることは至難の業です。

「だって〇〇君も持っているから」が、それにあたります。

当時はそれで仲間外れにされるんじゃないかという不安もあって渾身の訴えをしていたと思うのですが、そんなものは通用しません。実際に仲間外れになったこともなかったので、その程度のことだったんだろうけれども。

 

でも、大人は違います。

先々のことを想像して、もっと深く想定することができます。

対象が親から妻に変わっただけのこと。

そこで繰り出した交渉がこちら。

 

「月々のお小遣いから〇円ずつ引いてもらうと、◆月までには全部払い終わる計算になるんだけど、いかがでしょう…?」

 

…もはや「お伺い」です。

ニコニコ妻ローンとでも言いましょうか。

そりゃ文字通り、頭が地面にめり込むほどお願いしましたよ。

必要なら、涙を流す準備だってしていましたから。

 

結果、ギターを片手にちょっといいコンビニスイーツを買って帰るのでした。

あぁ、かっこいい。。。

 

2026年2月5日 14:27

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