清泉寮ジャージー牧場(キープ協会)
出演者情報
清泉寮ジャージー牧場(キープ協会) 高橋 諒さん
放送内容
清泉寮ジャージー牧場について教えてください。
キープ協会では、1950年代からジャージー牛を飼い始め、70年以上に渡って酪農を続けています。現在は、放牧地と採草地を合わせて47ヘクタールの土地で、東京ドームおよそ10個分の広さです。ここで、約90頭のジャージー牛を飼養しています。清里は、夏は暑すぎず、日照時間が長く、湿度も低い地域です。牛にとって過ごしやすい環境だと考えています。飼育している牛は、ジャージー牛で、白黒のホルスタイン種とは違って茶色い毛並みをしています。ホルスタインよりも小柄で、人懐っこい性格が特徴です。日本全体の牛の0.7%ほどしかいない、希少な品種です。牛たちから搾った牛乳の多くは加工され、乳製品や生乳として清泉寮の売店などで販売されています。清泉寮名物のソフトクリームも清泉寮ジャージー牧場の牛の牛乳が使われています。

飼育方法や飼育への想いについて教えてください。
私たちは牛を「生産するための動物」としてだけではなく、一頭一頭の状態や行動にも目を向け、牛が健康で、落ち着いて過ごせる環境づくりを基本としています。その大きな特徴が、「フリーストール牛舎」と「輪換放牧」です。フリーストールというのは、牛を一頭ずつ固定しない飼育方式です。牛をつながず、牛舎の中を自由に移動できるようにしています。そのため、歩いたり、休んだり、餌を食べたりといった行動を、牛自身が選びやすくなります。それぞれのストールには、十分な量のおがくずを用意していて、牛自身が必要な量を動かして使えるようにしているんです。牛が自分でおがくずを動かして、休む場所を整えることができます。また、牛の体を清潔に保つことにも役立っています。輪換放牧は、放牧地をいくつかの区画に分けて、順番に放牧する方法です。牛が放牧している間、別の区画は休ませて牧草を育てます。牧の状態や牛の健康を見ながら放牧場所を切り替えることで、牛は自由に歩いたり、牧草を食べたりすることができます。そして、放牧地を休ませることで、次に牛が入る場所の牧草もしっかり育てることができます。また、ジャージー牧場では、牛本来の姿を大切にした給餌を行っています。粗飼料を主体とした給餌プログラムを組んでいて、自分たちで育てた牧草などを活用しています。乳量は比較的少なくなりますが、牛本来の姿を大切にしながら飼育することにつながっています。

循環型酪農とは何ですか?
自然にも配慮した酪農で、牛から出た糞尿を堆肥として活用し、その堆肥を牧草地に還元して牧草を育てます。そして、その牧草を牛の餌として利用する。牛と牧草、そして土地の間で資源を循環させる仕組みです。限りある資源を無駄にせず、自然の循環を生かした酪農を続けています。農薬や化学肥料などを使わないことを基本とした有機JAS認証をジャージー種として日本で初めて受けたのも清泉寮ジャージー牧場なんです。2022年には、山梨県の「やまなしアニマルウェルフェア認証」も取得しました。認証基準の9割以上の項目をクリアし、最高の三つ星評価をいただきました。今後も牛の健康と快適性を大切にしながら、地域の皆さんに信頼される酪農を続けていきたいと思います。どんな牛が、どんなふうに過ごして生まれたものなんだろう?そんなふうに、牛の暮らしにも目を向けていただけたら嬉しいです。



