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黒富士農場

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出演者情報

黒富士農場 向山一輝さん

 

放送内容

黒富士農場のニワトリの飼育について教えてください。

黒富士農場は、甲斐市上芦沢の標高およそ1100メートルの場所にあります。夏は冷涼で、豊かな自然や湧き水にも恵まれた環境です。そうした環境の中で、「平飼い放牧」という飼育を行っています。鶏をケージに入れず、鶏舎の中を自由に動き回れるようにするだけでなく、鶏舎の外にも出られるようにしています。放牧の時間になると鶏舎の入り口を開けたままにして、ニワトリたちが自由に出入りできるようにしています。太陽の下で地面を歩いたり、草を食べたり、土や小石をついばんだりしています。鶏舎の中とはまた違った環境で、ニワトリたちが自然な行動をできるようにしています。鶏舎の中でもが自由に動き回れるようにしていて、産卵エリアや運動エリアがあり、休息できる場所として止まり木も設置しています。産卵エリアには、暗くて落ち着いた場所で卵を産みたがるニワトリのために、産卵箱を設置しています。ニワトリが本来持っている行動を、できるだけ自然にできるようにすることを大切にしています。

自然に配慮した飼育にも取り組んでいるそうですね。

黒富士農場では、「BMW技術」と呼ばれる自然循環の仕組みを取り入れた「自然循環農法」にも取り組んでいます。BMWとは、バクテリア、ミネラル、ウォーターの頭文字です。岩石や腐葉土、水が持っている自然浄化の力を生かして、微生物の働きを活性化させる技術です。この技術を使って作った「BM活性堆肥」を、鶏舎の床下に敷いています。ニワトリの排泄物が微生物の働きによって分解されることで、臭いを抑えたり、ハエなどの害虫の発生を抑えたりすることにつながります。そして、鶏舎から出たものを堆肥として活用し、地域の中で循環させています。できるだけ自然に負荷をかけず、農場の中で循環させていく。それが黒富士農場の自然循環農法です。臭いや害虫を抑えて鶏舎の環境をきれいに保つことはニワトリの健康にとっても大切ですし、そこで働く人にとっても大切なことです。

 

平飼い放牧をはじめたきっかけを教えてください。

当初はニワトリをケージで飼育してたんです。今から35年前に飼育方法を大きく変えるきっかけになった出来事がありまして、当時、農場に見学に来た小学生が、ケージに入ったニワトリをみて「ニワトリさんたちがかわいそう」と言ったんです。その言葉に私たちも考えさせられまして、平飼いを始めました。ただ、平飼い放牧は、鶏が動ける広い面積や多くの人手が必要になります。また、飼育できる羽数も少なくなるため、ケージ飼いに比べると生産効率は落ちてしまいす。それでも続けているのには理由がありまして、ニワトリの健康や快適さを追究することが、結果的には安心・安全でおいしい卵につながり、皆さんの豊かな食卓につながっていくと信じているからです。こうした取り組みを評価していただき、2022年に「やまなしアニマルウェルフェア認証」を取得しました。黒富士農場は、基準の9割以上を達成した、最高の三つ星評価をいただいています。また、黒富士農場では、アニマルウェルフェアに配慮した飼育を広げていくために平飼いを志す農家や企業に向けて、飼育方法や農場づくりに関する技術支援も行っています。黒富士農場で長年取り組んできた経験を生かし、鶏舎の設計や飼育環境、衛生管理など、実際の農場運営に必要な知識や技術を伝えています。これまでに、全国で18件の技術支援を行ってきました。山梨県内でも4件の採卵鶏農家が「平飼い」を実践されています。農場の規模をさらに大きくすることよりも、平飼いやアニマルウェルフェアに取り組む人を増やすことが、私たちの使命の一つだと考えています。

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