2025年5月23日放送
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2025年5月23日放送

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プレコンセプションケアと卵子凍結支援制度

荒木 県では、令和5年度から、希望する誰もが安心して妊娠・出産できるようプレコンセプションケアの推進に取り組んでいます。さらに、令和6年度からは各地域の医療機関や職場での健診でプレコン健診が受診できる制度や、将来の妊娠・出産に備えるための卵子凍結助成にも取り組み始めました。きょうはプレコンセプションケアや卵子凍結支援制度について山梨県 総合県民支援局 子育て・次世代サポート課 保坂 香葉子さんとお伝えします。

 

荒木 保坂さん、まずプレコンセプションケアって初めて聞く方も多いと思います。改めてどんなものなのか教えていただけますか?

 

保坂 プレコンセプションケアを直訳すると「妊娠前管理」となりますが、広い意味では、若いうちから、男女ともに将来の妊娠なども意識して、自分の心身の健康管理を行うことを指します。晩婚化に伴う高齢出産や不妊、少子化が進んでいることから、プレコンケアは近年注目されているんです。

 

荒木 若いうちからの健康管理というのがポイント、ということでしょうか。

 

保坂 日本では、産科医療が進んで、妊産婦の死亡率や生後間もない赤ちゃんの死亡の割合は劇的に少なくなっています。でも、女性が持つリスク因子が原因とされる赤ちゃんの先天異常や、低出生体重児の割合、母親の妊娠合併症による生後間もない赤ちゃんの死亡の割合は減少していないんです。

 

荒木 どんなことが原因でしょうか?

 

保坂 痩せていることや肥満、喫煙、高齢などがリスクの一つと考えられていて、こういったことにあてはまる女性が妊娠した場合、流産、早産、低出生体重児、先天異常の発生頻度が通常よりも高くなることがわかっています。だから、妊娠する前から自分の身体のことや、妊娠・出産に関する正しい知識を身につけておくことがとっても大切なんです。

 

荒木 県ではどんな取り組みをされているんでしょうか?

 

保坂 LINEなどを活用して妊娠・出産や不妊等に関する専門的な相談支援を実施しています。それから、企業や大学と連携をして、妊娠・出産に関する正しい知識を身につけてもらうための出張講座やセミナーを開催しています。昨年開催したセミナーには、女性だけでなく男性の参加者もたくさんいらっしゃったんです。

 

荒木 プレコンって男性も関係あるんですか?。

 

保坂 そうなんです!男性にもプレコンに関心を持ってもらうことがとても大切です。男性も正しく理解することで、職場や家庭で女性をサポートできるようになります。そのため、あらゆる年代の男性・女性に対して、教育・保健・医療・職域の各方面からプレコンケアを実施することが必要とされます。

 

荒木 なるほど。男性の理解も大事なんですね。それから、健診も実施しているんですよね?

 

保坂 そうなんです。「プレコン健診」と言って、提携するクリニックや職場の健康診断で、自己負担なしで将来の妊娠に備えた現在の健康状態を調べることができます。昨年度はおよそ1500人が健診を受診されました。健診を受診した女性からは、「妊娠・出産について考えるとても良い機会になった」といった感想や、「自分の健康状態を知ることができて、今後どうすればいいかわかったのでよかった」といった声をいただいていて、大変好評です。

 

荒木 大勢の方がプレコン健診を受けているんですね!そして、県では昨年度から卵子凍結に対する支援制度も始まったんですよね!まず、卵子凍結とはどんなものか教えていただけますか?

 

保坂 はい。卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に備えて、卵子を事前に採取し、凍結保存しておくことです。その目的によって、2種類に分けられます。

 

荒木 2つの種類ですか?

 

保坂 1つめががん治療などによって卵巣の働きに影響を与えてしまい、将来、子供を持つことが難しくなる可能性がある場合に、病気の治療の前に、あらかじめ卵子をとっておいて凍結保存しておくものです。

 

そして2つめが、健康ではあるけれど、それぞれの事情で今は妊娠を選択しない女性が卵子を凍結しておくものです。

年齢とともに妊娠しやすさは低下してしまいます。そうなる前に、将来の妊娠に備えて卵子を凍結しておくという選択肢です。

 

荒木 卵子凍結は、様々な事情によって、今は妊娠・出産が難しい女性に、将来の妊娠・出産に対する希望をもたらしてくれそうですね。

 

保坂 はい。そこで県では、昨年度から女性の多様なキャリア形成・ライフプランの実現を応援するため、将来の妊娠・出産に備える未受精卵子凍結にかかる費用の補助を始めました。

     

    荒木 どんな方が対象になるんでしょうか?

     

    保坂 対象は、採卵日の年齢が18歳~39歳。山梨県内に住所がある方です。また、県が指定した「卵子凍結セミナー」を受講することが要件になっています。不妊治療を目的としたものは対象外ですのでご注意ください。そのほか詳しくは山梨県のHPをご覧ください。

     

    荒木 山梨県内で卵子凍結を実施している医療機関はありますか?

     

    保坂 先月、山梨大学医学部附属病院に卵子凍結外来が開設されました。将来の妊娠・出産を希望する健康な女性を対象にした卵子凍結に対応してくれます。

     

    荒木 それは心強いですね!補助はどのくらいしていただけるんでしょうか?

     

    保坂 補助額は、卵子凍結にかかった総額の1/2で、県内医療機関で実施した場合は20万円が上限。県外医療機関で実施した場合は10万円が上限です。補助回数は2回までです。

     

    荒木 卵子凍結支援を受ける場合、どんな手順になりますか?

     

    保坂 まずは「卵子凍結セミナー」を受講していただきます。これは、プレコンセプションケアについての知識や卵子凍結のメリット・デメリット、採卵による体への負担、卵子凍結のリスク等を理解してもらうためのセミナーです。卵子凍結についてしっかり分かった上で、卵子凍結をするかしないか、ご自身でじっくり考えていただきたいです。卵子凍結をすることを選択して実施した場合、凍結が終わったら申請を行ってください。

     

    荒木 申請方法と申請期限を教えてください。

     

    保坂 はい、申請は県のHPの電子申請フォームからお願いします。今年度中に卵子凍結を実施した方の申請期限は令和8331日までですが、なるべく早めに申請してください。

     

    荒木 今月は山梨県 総合県民支援局 子育て・次世代サポート課 保坂 香葉子(ほさかかよこ)さんとお伝えしました。ありがとうございました。

     

    保坂 ありがとうございました。

    次回は6月27日(金)17時15分放送

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