2024年10月25日放送
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2024年10月25日放送

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自転車マナーの向上

小松 自転車が気持ちのよい季節です。しかし、全国的に自転車の悪質な運転や事故が増加しています。令和5年には「自転車ヘルメット着用の努力義務化」もされ、ヘルメットを着用して運転される方も多く見かけるようになりました。そこできょうは、自転車の安全で適正な利用についてお送りします。

山梨県 県民生活安全課 加々見 学さんとお伝えします。加々見さん、よろしくお願いします。

 

加々見 よろしくお願いします。

 

小松 山梨県の自転車による交通事故の状況はいかがでしょうか?

 

加々見 はい、山梨県内で令和5年に自転車が関係した交通事故は269件発生しています。これは前年の令和4年よりも35件増えていて、負傷者が263人、死者が5人となっています。

 

小松 多くの事故が発生しているんですね。

 

加々見 バイクによる事故と同じく、負傷につながる事故が多いのも自転車の特徴です。

 

小松 そうですね、気を付けたいですね。山梨県ではどんな取り組みが行われていますでしょうか?

 

加々見 はい、歩行者、自転車、自動車などが、共に安全に通行し、県民が安全で安心して暮らすことができる地域社会とするため、

令和2年4月、本県における自転車の安全で適正な利用に関する施策の基本となる「山梨県自転車条例」を施行しました。

 

小松 改めて山梨県自転車条例について教えてください。

 

加々見 はい。自転車の悪質な運転や自転車事故による高額賠償命令が社会問題化しました。本県でも交通事故全体に占める自転車関連事故の割合が増加傾向にあったことから、自転車の安全で適正な利用と、自転車事故被害者の速やかな救済、加害者の経済負担の軽減を図るため、「自転車損害賠償責任保険等」への加入が義務化されました。

 

小松 確かに自転車事故の高額な賠償はニュースになりましたね。

 

加々見 そうですね。こんな事例がありまして…夜間、自転車に乗った小学生が坂道を相当なスピードで下っていたところ、歩行中の女性に気づかず正面衝突して、女性の意識が戻らない状態となった事故では約9500万円の損害賠償額になっています。

この事故は歩行者との事故ですが、自転車同士の事故もあります。ある事例では、自転車運転中の高校生が歩道から車道を斜めに横断したところ、自転車で直進してきた男性と衝突し、男性は重大な障害が残りました。こちらは約9200万円の損害賠償額となりました。

 

小松 被害者やその家族の悲しみは察するに余りあるのですが、小学生や高校生でも加害者になってしまう…これも辛い事態ですね。自転車は子どもから年配の方まで、身近で手軽な乗り物ゆえに、安易に考えてしまいそうです。

 

加々見 はい。自転車といっても、生命に係わる事故につながる可能性が十分あります。「自転車損害賠償責任保険」は自転車利用中の事故によって、相手の生命または身体が害された場合の損害を補償することができる保険や共済です。たまにしか自転車に乗らない方も含め、年齢も関係なく、全ての自転車利用者は、万一に備えて必ず加入しなければなりません。自動車の保険に特約で付帯できるものあります。ぜひ確認をお願いします。

 

小松 保険は、自転車を利用する方の義務ですね。ぜひ加入をお願いします。そして最近の話題ですが、ヘルメットの着用が努力義務化されましたね。

 

加々見 はい。自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めるとともに、他人を自転車に乗車させる時、また、保護者などは、児童や幼児が自転車を運転するときはヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないとされています。

 

小松 ヘルメット着用によって事故の被害状況はどう変わりますか?

 

加々見 そうですね。令和元年~令和5年の統計によりますと、「ヘルメットを着用していない場合」の死者の主な損傷部位を比較すると、53.9%が頭部損傷によるものとなっています。半数以上が頭部の損傷で亡くなっています。また致死率はヘルメット着用時と比べて約1.9倍も高くなっています。

 

小松 ヘルメット着用が命を守る可能性を高めるんですね。着用率はいかがでしょうか?

 

加々見 全国の警察において、今年7月に街頭で自転車のヘルメット着用率を調べた結果、前年と比べて3.5 ポイント増えて17%でした。都道府県別の着用率では愛媛県が最高の69.3 パーセントと高い一方、山梨県の着用率は前年比1.7 ポイント増の27.9%で、全国9番目に高い結果となったのですが、更なる着用の呼びかけが必要だと思っています。

 

小松 また、最近のトピックとして、自転車の酒気帯び運転・携帯電話使用への罰則について教えていただけますでしょうか?

 

加々見 これまで、自転車の場合は「酒酔い運転」のみが処罰の対象となっていましたが、新たに「酒気帯び運転」についても対象となります。来月11月から「自転車の酒気帯び運転」の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

 

小松 飲酒による事故はどんな状況でしょうか?

 

加々見 警察庁によりますと、自転車を酒気帯び状態で運転したときの死亡重傷事故率は、飲酒なしと比べて、約1.9倍となっています。飲酒運転は絶対にやめてください。

 

小松 そうですね!「自転車運転中の携帯電話の使用」についてはいかがでしょうか?

 

加々見 自転車運転中、携帯電話などを手で持って通話したり、画像を注視したりする「ながらスマホ」は大変危険で、近年、携帯電話使用などが原因の交通事故が急増しています。こちらの「ながらスマホ」も今年11月から罰則が新設されまして、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。さらに実際に危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役、または30万円以下の罰金となります。

 

小松 なるほど。どちらも大きな事故に繋がる可能性が高いからこそ、新たに罰則の対象になるということなんですね。最後におさらいも兼ねまして、自転車事故を防止するためにはどんなことが必要か、改めて教えていただけますでしょうか?

 

加々見 まず大前提として自転車はくるまの仲間です。原則、車道の左側を走行してください。歩道は例外となります。歩行者を優先するなど、改めて、「見る・止まる・譲る」といった交通ルールの遵守をお願いします。また、事故防止のため、ライトの点灯、自転車の側面に反射器財などを備えてください。さらに、自転車に乗るときは、けがをしないようヘルメット、肘当て、膝当て、手袋を着用して、普段から自転車の点検・整備を行ってください。そして大切なのが、「自転車損害賠償責任保険」への加入です。

 

小松 特にこの時期は日の入りが早いので注意したいですね。

 

加々見 日の入りが早くなってきたこの時期から年末に掛けては特に交通事故が増える傾向です。早めにライト点灯して安全運転を心がけてください。

 

小松 はい、わかりました。この時間は山梨県 県民生活安全課 加々見 学さんとお伝えしました。ありがとうございました。

 

加々見 ありがとうございました。

 

次回は11月22日(金)17時15分放送

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