2025年2月28日放送
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2025年2月28日放送

こちらで放送内容を聴くことができます

 

高齢者と事業所の交通安全

小松 高齢化社会の進展に伴い、高齢者交通事故の割合は増加傾向にあります。去年は高齢者の死亡事故が多く発生したことから、注意報にあたる「高齢者の交通事故防止情報」が出されました。また、事業所内の自家用自動車の安全を確保するため、一定数の自家用自動車を使用する事業所では、安全運転管理者の選任が義務化されています。きょうは高齢者と事業所の交通安全対策について考えていきたいと思います。

 

山梨県 県民生活部 県民生活安全課 内藤 利通(ないとう としみち)さんとお伝えします。

 

小松 内藤さん、まずは山梨県で高齢者の交通事故はどんな状況なのか教えてください。

 

内藤 高齢化社会に伴って、令和2年以降、交通事故件数は800件前後を推移しています。高齢者の交通事故が、全ての事故に占める割合は増加傾向にあり、近年は、交通事故死者数において、高齢者の割合が半数以上、約6割となっている状況です。

 

小松 去年は注意報も出されたんですよね?

 

内藤 はい。去年は9月までは死亡事故が減少傾向にありましたが、10月以降、死亡事故が多発しました。去年1年間で、全ての交通事故死者に占める高齢者の割合は、60.7%と極めて高い状況となりました。また、11月には60日間で5件以上の高齢者の交通死亡事故が発生したことから注意報にあたる「高齢者の交通事故防止情報」を発出しました。

 

小松 やはり自動車での事故が多いのでしょうか?

 

内藤 そうですね。昨年の死亡事故の半数以上が自動車運転中に発生したものです。

 

小松 山梨県民にとって自動車は欠かせない生活の足ですからね。山梨県ではどのような対策がとられているんでしょうか?

 

内藤 はい。本県では、高齢者の交通安全対策のため、様々な取り組みを実施しています。

まず、交通安全教室を開催し、高齢者が自らの身体機能を把握してもらうための運転適正診断とサポカー体験を実施しています。

 

小松 「サポカー」最近よく目や耳にしますね。

 

内藤 「安全運転サポート車」のことで、衝突被害軽減ブレーキや、踏み間違い時の急発進抑制装置などの機能が付いた自動車で、特に高齢ドライバーに推奨しています。

 

小松 そのサポカーの体験ができるわけですね。そのほかはいかがでしょうか?

 

内藤 歩行者に対しましては夜間など、明かりに反射して輝いて見える反射材を高齢者に配布する事業を市町村と協力して実施しています。反射材を身につけていただくことで、事故を防ぐ効果があります。

 

さらに、先ほども話にありました、高齢者の交通事故による死亡事故が多発した場合に、「高齢者の交通事故防止情報」をだして注意喚起を行っています。直近では、昨年1125日に出しました。注意報を出した後、県内のスーパーマーケットで、反射材の配布を行い、事故防止の呼びかけを行いました。

 

小松 高齢者の事故対策といいますと、近年話題となっている免許返納も呼び掛けていますでしょうか?

 

内藤 はい。交通安全イベントにおいて、高齢者の運転免許証の返納と公共交通機関の利用を考えてもらうため、チラシを配布するなど、普及啓発を行っています。運転免許を自主返納すると、「運転経歴証明書」が発行され、お住まいの市町村に申請すると、様々な支援を受けることができます。市町村によって異なりますが、バスやタクシーの乗車券、鉄道が利用できるカードの贈呈などがあります。詳しくは各市町村にお問合せください。

 

小松 家族に高齢の方がいて心配…という方もいらっしゃると思います。ぜひこの機会に免許返納について話し合ってみてはいかでしょうか?

内藤さん、特に高齢者が運転する際に心がけていただきたいことはありますか?

 

内藤 年齢を重ねると、個人差はありますが、体力の低下に加え、視力・聴力の低下、認知機能と反射機能が鈍くなるなどと言われています。例えば、夜は目が見えにくい方は、運転は日中だけにするとか、雨の日は視界が悪いから晴れた日に出かけるとか、運転する場面を決めるのもよいと思います。また長距離運転は避けるなど、ご自身の体調をしっかり把握して運転していただきたいと思います。自動車と同じく自転車を運転する時も十分注意してください。

 

小松 いつもの慣れた道こそ気を付けて安全運転をお願いします。そして、歩行する時も気を付けたいですね。

 

内藤 そうですね。夕暮れ時や夜間、早朝にウォーキングをされる方も多いと思います。そんな時はできるだけ明るい色の服装で、反射材を身に着けてください。

 

小松 私も夜間に人が歩いていてヒヤっとしたことがあります。確かに反射材は遠くから確認できますから、ぜひこちらもお願いします。

そして、もう一つのテーマ、企業・事業所での安全運転です。安全運転管理者の選任が義務化されていますが、改めて教えていただけますか?

 

内藤 「安全運転管理者」は、自家用自動車を5台以上使用する事業所、また、乗車定員11人以上の自家用車を1台以上使用する事業所、さらに自動車運転代行業者において、選任することが義務づけられています。事業所は選任した安全運転管理者に、自動車の安全な運転を確保するために必要な安全教育などを行わせて、事業所内の交通法令遵守意識や交通安全意識の醸成を行って、交通事故防止を図る制度です。

 

小松 運転前後のアルコールチェックもこの一環ですか?

 

内藤 そうです。アルコール検知器を使用しての運転前後のアルコールチェックは、安全運転管理者の重要な業務です。その他、基本業務として運転者の安全運転指導についての確認などがあるほかに、公安委員会が行う講習を受けたり、無免許運転や最高速度違反を容認してはいけないことなどが道路交通法で定められています。

 

小松 では事業所ごとに「安全運転管理者」を選任して、どちらからに届け出るんでしょうか?

 

内藤 はい。安全運転管理者等を選任した場合、選任した日から15日以内に、管轄の警察署に届け出なければなりません。

 

小松 義務化ということは違反すると罰則があるんでしょうか?

 

内藤 はい、安全運転管理者の選任違反となった場合は、50万円以下の罰金、届出違反の場合は5万円以下の罰金が科せられます。

 

小松 ご自身の事業所があてはまるのかしっかり確認していただきたいと思います。どちらで確認できますか?

 

内藤 詳しくは、山梨県警のホームページをご覧ください。

 

内藤 安全運転管理者には「安全運転管理者等講習」の毎年の受講が義務づけられています。また、国は交通安全白書の中で、安全運転管理者の育成・研修を行う「安全運転管理者協議会」への加入促進を行っています。本県においても安全運転管理者を選任する事業所は、「安全運転管理者協議会」への加入をお願いします。

 

小松 この時間は山梨県 県民生活部 県民生活安全課 内藤 利通(ないとう としみち)さんお伝えしました。ありがとうございました。

 

内藤 ありがとうございました。

次回は3月28日(金)17時15分放送

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