2025年1月24日放送
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2025年1月24日放送

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闇バイトの犯罪対策

小松 昨今、社会問題となっている「闇バイト」。安易に高額な報酬が得られると誘われ、強盗や詐欺などの犯罪に加担してしまい多くの若者などが逮捕されています。そこで、山梨県と山梨県警は「闇バイト」への対策や注意喚起を行っています。

 

山梨県 県民生活安全課 櫻林  さん

山梨県警察本部 生活安全企画課 原  さんとお伝えします。よろしくお願いします。

 

小松 まず、県警の原さん、改めて「闇バイト」とはどんなものか教えていただけますか?

 

 いわゆる「闇バイト」は、バイトではなく犯罪です。犯罪グループはX(旧 Twitter)や Instagram などの SNS やインターネット掲示板などで、「短時間で高収入が得られる」「即日現金」「書類を受け取るだけ」など、甘い言葉を使い犯罪の実行者を募集しています。そこに、つい応募してしまうと、電話詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯など、犯罪組織の手先として利用され、犯罪行為に加担させられてしまいます。

 

去年の8月以降に発生している凶悪な強盗事件は、既に全国で40人を超える被疑者が逮捕されていて、その取調べなどからいわゆる「闇バイト」の募集によって、犯罪の実行者となっていることが分かっています。とくに若者が犯罪を犯す事件が急増しています。

 

小松 途中でこれは犯罪かも…と気づいてもやめられないものなんでしょうか?

 

 X(旧ツイッター)などで「ホワイト案件」「高収入」などと詳細を明かさずに求人を出して、応募者を秘匿性の高い通信アプリに誘導します。個人の身分証を送信させた後に犯罪への加担を指示して、拒めば個人情報を使って「家に押しかける」「親にバラす」など、本人や家族に危害を加えると脅す手口が典型です。

 

小松 やめたくても脅されて加担してしまうんですね…。たとえ脅されてやってしまったとしても、犯罪者になってしまうわけですよね?

 

 そうですね。もちろん犯罪者となり、逮捕された後に待ち受けるのは、長い懲役刑、被害者への巨額の損害賠償です。

家族や知人へも多大な迷惑をかけてしまいます。関係した人間は誰も助けてくれず、単に犯罪組織の捨て駒として使われるだけです。

 

小松 「闇バイト」から犯罪に加担すると、どんな罰則がくだされるんでしょうか?

 

 電話詐欺や組織的な犯行の場合、通常の詐欺罪に比べて厳しい処罰が科されることもあります。

<強盗殺人>は、死刑または無期懲役です。<強盗>は5年以上の懲役。<詐欺罪>は10年以下の懲役です。

 

小松 人生の歯車が狂ってしまいますね。「ホワイト案件」「短時間で高収入」などの求人は怪しいと思った方がいいですね。

 

 SNSやインターネットの怪しい誘いには応じず、正規の求人サイトや信頼できる機関を通じて仕事を探していただきたいと思います。

 

小松 また、犯罪に巻き込まれないために、私たちが自宅でできることはありますか?

 

 気を付けていただきたいことをいくつかご紹介したいと思います。まずは、在宅時でも施錠することです。在宅時に短時間の外出、例えばごみ出しであっても、玄関ドアには必ずカギをかけてください。不在時や夜間は雨戸も閉めことをおすすめします。また、玄関ドアは、いきなり開けないでください。

ドアスコープやカメラ付きインターフォンで、身分や要件をしっかり確認をしてください。そしてドアチェーンを利用するようにしてください。玄関ドアを開ける場合は、ドアチェーンやドアガードをつけて開け閉めをするようにしてください。

 

さらに、家の外に防犯カメラやセンサーライトを設置したり、窓の全面に防犯フィルムを貼ったりすることもおすすめです。窓に貼る防犯フィルムは、窓ガラスを割りにくくして、ガラス破りに時間をかけさせるものです。犯人は時間がかかることを嫌うため、犯罪抑止に効果があります。

 

小松 ぜひ参考にしてください。「闇バイト」について、国も対策をすすめていますよね?

 

 はい、政府は SNS を通じて犯罪の実行役を募る「闇バイト」から国民を守るための緊急対策をまとめました。来年早期に、捜査員が架空の身分証を使って犯人に接触し摘発する「仮想身分捜査」を導入することが決まりました。また、捜査を円滑化するため X(旧 Twitter)など SNS事業者にアカウント開設時の本人確認の厳格化を要請するほか、違法な求人情報を明確に定義し削除を促すこととしています。

 

小松 山梨県警ではどんな取り組みが行われているんでしょうか?

 

 県警では、未然に犯罪を防ぐためサイバーパトロールを実施しています。若者が「闇バイト」の募集に応募しないよう、SNS上に蔓延する犯罪の実行者を募集する書き込みなどに対し、県警察の公式アカウントから書き込みアカウントに対し警告を行っています。令和6年中は約2300件の投稿に警告を出して対策をしています。

 

学生に対しては防犯講話やメディアを活用した広報活動などを行っており、中学校・高校・大学を訪問して、「闇バイト」に関する注意喚起を内容とした防犯講話を実施しています。また、「闇バイト」から抜け出そうとする若者などからの相談に対して、相談者を保護するなど適切に対処しています。

 

小松 続いて県 県民生活安全課 櫻林さん。県ではどんな呼びかけが行われているんでしょうか?

 

櫻林 県では、広報動画やポスターを制作して呼びかけを行っています。動画は、若者が「闇バイト」の募集に応募し、犯罪に加担しないよう、闇バイトの危険性を紹介しています。県内の大学・高校に動画のURLを配布して、学生に対して注意喚起を行うとともに、デジタルサイネージも活用しています。

 

ポスターは学校のほか、駅、商業施設など、若者の目に留まる場所に掲示して「闇バイト」の危険性を広く県民に広報しているところです。また、各市町村にもポスターを配布しておりますので、「闇バイト」について、より多くの県民の皆様に関心を持っていただければと思っています。

 

小松 様々なかたちで注意喚起してくださっているとのことですが、最後に、県警の原さん、県民の皆さんにメッセージをお願いします。

 

 現在、首都圏を中心に住宅に押し入る凶悪な強盗事件が相次いでいます。

警察から、今、このような犯罪に加担しようとしている方へ伝えたいことがあります。

・自分自身や家族への脅迫が理由であっても、強盗は凶悪な犯罪です。

・犯罪に関わってはいけません。

・勇気を持って抜け出し、直ぐに警察に相談してください。

・警察は、相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。

・安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください。

 

小松 この時間は山梨県 県民生活安全課 櫻林 さん

山梨県警察本部 生活安全企画課 原 さんとお伝えしました。ありがとうございました。

次回は2月28日(金)17時15分放送

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