2026年2月27日放送
こちらで放送内容を聴くことができます
山梨いのちの日
荒木 3月は自殺者数が増える傾向にあります。3月1日は「山梨いのちの日」、3月は「自殺対策強化月間」です。県内の自殺の現状と山梨県特有の課題や、県が進めている対策をご紹介します。
荒木 山梨県 福祉保健部 健康増進課 笹生 開夫さんです。よろしくお願いします。
笹生 よろしくお願いします。
荒木 笹生さん、3月1日は「山梨いのちの日」ということですが、どんな思いで制定されたんでしょうか?
笹生 自殺対策基本法では、自殺者が増える傾向にある3月を「自殺対策強化月間」と定めて、各種団体と連携して相談事業や啓発活動を実施しています。
また、県では、山梨県自殺対策に関する条例で3月1日を「山梨いのちの日」と定めて、県民の自殺対策に関する関心と理解を深め、自殺対策に関する活動を促す取り組みを3月に集中的に行っています。誰も自殺に追い込まれることのない、安全で安心して生きることができる社会を実現するためには、県民一人ひとりが心の健康や自殺の問題について関心を持ち、正しい知識を身に付けることが大切です。より多くの皆さんに関心や知識を広めたい、そういう思いで制定しました。
荒木 山梨県の自殺の現状はいかがでしょうか?
笹生 本県にお住まいの方、いわゆる住所地ベースでの自殺者数は減少傾向にあります。令和6年は131人で、令和5年から18人減少しました。
人口10万人当たりの自殺者数、自殺死亡率は17.0で全国平均を上回っていますが、令和5年から2.2ポイント減少、全国順位は、ワースト7位から17位となりました。
荒木 山梨県特有の課題はどんなことでしょうか?
笹生 本県にお住まいかどうかを問わない、いわゆる発見地ベースでの自殺の状況を見た場合、その約3割が、自殺前住居地が県外・不明の方だということです。本県で発見された自殺者数は、令和6年は174人で、前年から41人減少しましたが、自殺死亡率は全国ワースト2位。令和5年はワースト1位でしたので、従来からの大きな課題の一つになっています。
荒木 そうなんですね…。では、自殺の原因はどんなことが考えられますか?
笹生 病気など、健康問題のほか、倒産、多重債務などの経済・生活問題。介護・看病疲れなどの家族問題など様々な要因が複雑に関係しています。自殺は個人の自由な意思や選択の結果ではなく、その多くが様々な悩みにより心理的に「追い込まれた末の死」ということを認識する必要があります。
多くの人は、自分は自殺と関係ないと考えがちですが、実際は自分や家族、友人など周りの人が当事者となる可能性があります。
世界保健機関が「自殺はその多くが防ぐことができる社会的な問題」であると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるということが、世界の共通認識となっています。
荒木 人の手によって防ぐことができるということですね。
笹生 そうです。心理的な悩みを引き起こす様々な要因に対する社会の適切な介入。また、自殺に至る前のうつ病等の精神疾患に対する適切な治療によって、多くの自殺は防ぐことができます。
自殺を考えている人は何らかのサインを発していることが多いです。死にたいと考えている人は、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動いていて、不眠、原因不明の体調不良、自殺をほのめかす言動など、自殺の危険を示すサインを発している場合が多いとされています。
荒木 いつもと違うな、という予兆を見逃さないことですね。
笹生 はい。最近「口数が減った」「食欲がない」「おしゃれに気をつかわなくなった」など、いつもと様子が違う時は、精神保健福祉センターや医療機関に相談してじっくり見守ってください。もし、あなた自身がお悩みを抱えていましたら、誰かに話すことで解決するかもしれません。一人で抱え込まず、ぜひ相談してみてください。
荒木 山梨県精神保健福祉センターの電話番号をご紹介します。055-254-8644、055-254-8644です。
では、3月に行われる県の自殺対策の取り組みを教えてください。
笹生 まず「こども・若者の自殺対策」をテーマにしたフォーラムを開催します。近年、こどもの自殺者数は増加傾向にありまして、令和6年の小中高生の自殺者数は全国で529人と、統計のある1980年以降で過去最多となりました。
荒木 フォーラムではどんなお話しが伺えますか?
笹生 NPO法人第3の家族の奥村春香さんに、「死にたい気持ちを抱える少年少女の声から~寄り添わない支援とは~」と題して講演をしていただきます。奥村さんはご兄弟の自死をきっかけに、少年少女の居場所づくりに取り組まれている方です。
荒木 若者の声を聴いてきた方のリアルなお話が伺えそうですね。イベントの詳細を教えてください。
笹生 「いのちのセーフティフォーラム2026」は3月14日(土)午後1時30分~ 山梨市民会館で開催します。
申込期間は本日(2月27日)までとしておりましたが、より多くの皆さまにご参加いただきたいため、期間を延長して受け付けております。
また、当日の申込枠もご用意しておりますので、このラジオをお聞きの皆さまにもぜひご参加いただければ嬉しく思います。
お申し込みに関してご不明な点がございましたら、山梨県健康増進課までお問い合わせください。
荒木 そのほかどんな取り組みが行われますか?
笹生 県立図書館と連携して「心の健康に関する図書」の展示を3/1~3/15まで行います。また、悩んでいる人に気づき、声をかけて支援を行う=ゲートキーパーの普及のため、ヴァンフォーレ甲府とコラボした動画を放映します。これは、県民ひろば、県公式YouTubeチャンネル、2月28日・3月28日のヴァンフォーレ甲府のホームゲームでご覧いただけます。
さらに、きょうから~3月5日の間、甲府市丸の内のココリ、甲府駅南口信玄公像、県庁別館、議事堂を緑色でライトアップします。緑色は自殺対策のシンボルカラーの1つで、癒やし・安らぎの効果があるとされています。
荒木 笹生さん、最後に県民の皆さんにメッセージをお願いします。
笹生 自殺の多くは防ぐことができる社会的な問題です。「山梨いのちの日」をきっかけに、県民一人一人がいのちの大切さについて考えていただきたいと思います。
荒木 はい、わかりました。この時間は、山梨県 福祉保健部 笹生開夫さんとお伝えしました。
笹生 ありがとうございました。



