2026年10月23日放送
こちらで放送内容を聴くことができます
ケアラーコンシェルジュサービス
荒木 日本では2025年に団塊の世代すべてが75歳以上の後期高齢者に達し、今後介護を必要とする人の割合が
急速に増加する見込みです。介護が始まると精神的・肉体的な負担が急激に増え、孤立してしまったり、
疲弊してしまい、その結果「介護離職」に至るケースが少なくありません。
誰もが突然、家族の介護に直面する可能性がある今、不安や悩みを抱えた時、どうすればいいでしょう
か?山梨県の取り組みについて詳しく紹介します。
山梨県総合県民企画室 主査 鷹野友莉さんです。よろしくお願いします。
鷹野 よろしくお願いします。
荒木 「ケアラー」とは、介護をする人のことですよね?
鷹野 そうです。心やからだに不調を抱える家族や親族、知人などを無償でケアしている人のことです。
ケアは介護だけでなく、看病や世話、気づかいなども含まれます。例えば、健康不安を抱えながら高齢者
が高齢者の介護をしている、障害のあるこどもの子育て・障害のある人の介護をしている、遠くに住む高
齢の親が心配で頻繁に通っている、アルコール・薬物依存やひきこもりなどの家族のケアをしている方も
ケアラーです。
令和6年度に山梨県が実施したケアラー実態調査によると、回答者の約4人に1人が何らかの形でケアを担
っていることがわかったのですが、同時に支援機関からの回答でも、ケアラーの半数以上が自身がケアラ
ーであるとの自認がなく、次いで、ケアに協力してくれる人がいない、ケアラーが相談先を知らないとの
回答でした。
荒木 「ヤングケアラー」という言葉もよく聞きます。
鷹野 ヤングケアラーとは家族の介護、その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若
者のことです。家事や家族の世話などで友達と遊べない、勉強することができない、学校に行けないなど
子どもらしく過ごすことが出来ず、その結果、進学や就職を諦めたり、孤立してしまったり、心身に支障
をきたしてしまうなどの問題があります。
ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であることから表面化しづらく、周囲の大人のみならず、
子ども自身やその家族さえも自覚がないままヤングケアラーとなっている子どももいて、社会的課題とな
っています。その他にも、介護しながら働く「ビジネスケアラー」、介護と子育てが重なる「ダブルケア
ラー」といった方もいます。
荒木 いつ自分がそのような立場になるかもわかりませんし、もしケアラーになったらまず何をすればいいか、
どこに相談すればいいか、わかりません。
鷹野 団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者に達した今、介護を必要とする人の割合は急速に増加する見込
みですし、事故や病気などで突然ケアが必要になることもあります。
介護が始まると、何から手をつければよいのかわからず、不安や戸惑いを抱える方も少なくありません。
また、仕事と介護の両立に悩み、孤立や疲労してしまうと介護離職のリスクが高まります。
荒木 望まない介護離職は、自分や家族に大きな問題を生みますよね。
鷹野 個人や家庭内の問題にとどまらず、県民の社会活動・地域経済の発展にも広く影響を与えうる深刻な問題
です。そこで、山梨県では家族の介護を担うケアラーが仕事と介護を両立し、社会的活躍を制限されるこ
となく働き続けられる社会「介護離職ゼロ社会」の実現を目指して「ケアラーコンシェルジュサービス」
を始めています。
荒木 どのような内容なのでしょうか?
鷹野 本事業は『一般社団法人山梨県介護支援専門員協会』が実施主体となり、仕事と介護の両立支援に特化し
た専門資格を持つ『ワークサポートケアマネジャー』を中心として運営されています。
このワークサポートケアマネジャーがコンシェルジュとなり、急な困りごとに対する電話相談を行ってい
ます。
荒木 具体的に教えてください。
鷹野 まず、このサービスは24時間365日、無料でコンシェルジュに電話相談が出来ます。
介護が始まったけど何をどうしたらいいのかわからない、介護に時間がとられて家事まで手が回らない、
病院や買い物など一人では大変に感じることが増えた、急ぎの仕事が入り誰にも頼ることが出来ず困った
などありましたら、電話055-213-1102までご連絡ください。
荒木 電話055-213-1102ですね。24時間365日、無料で電話相談できるのはとても心強いです。
鷹野 こちらの番号では、支援サービスへの接続もおこなっています。シルバー人材センターや介護・福祉、
便利サービス等の各種民間事業者と連携し、ワークサポートケアマネジャーがケアラーの状況を丁寧に
ヒアリングして、状況に合わせた最適な支援サービスを案内します。
離れて暮らす家族や一時的な子どもの見守り、安否確認、家事支援、買い物や通院支援など、日常生活の
急な”困った!”が出来たら連絡してみてください。
なお、こちらは家族をケアする方の負担を軽減するための支援につなぐためのサービスであり、支援サー
ビスの利用にはサービス提供事業者との契約手続きや利用料金が発生します。ケアラーコンシェルジュが
直接支援することや契約を代行することはできませんのでご注意ください。
荒木 介護で悩んだら、まず電話ですね。
鷹野 ワークサポートケアマネジャーは現在県内に16名配置されており、今後もさらに養成される予定で、より
多くの人をサポートできる環境を整えている段階です。
荒木 最後に県民のみなさんにメッセージをお願いします。
鷹野 介護は誰にでも起こり得る身近な課題です。そして介護は決して一人で抱え込むものではありません。
介護についての困りごとは、ぜひケアラーコンシェルジュをご活用ください。
山梨県では介護を理由に仕事や人生を諦めることのない社会の実現に向けて取り組んでまいります。
荒木 この時間は、山梨県総合県民企画室 主査 鷹野友莉さんとお伝えしました。



