女性のための健康セミナー

第2回ブライダルチェック(3月14日放送)

「ブライダルチェック」は、将来、妊娠や出産を考えている女性に対して婦人科の病気の有無を調べる婦人科検診です。子宮や卵巣の異常がないかを調べる超音波検査や内診、子宮頸がんや性感染症、ホルモンなどの検査があります。医療機関によって内容もさまざまですが、梶山クリニックでは、患者さんの希望を聞きながら各種検査を組み合わせて行っています。

結婚や妊娠を考えている方、妊活中の方など、さまざまな方が検査を受けにいらっしゃいます。特に、これまで婦人科を受診したことのない方が結婚などを機に婦人科検診を受けることは、隠れた病気の早期発見につながるきっかけとしてとても重要です。結婚や出産の年齢が上がっている中、妊娠に備えて健康に気を遣う女性が増えてきています。
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具体的な検査には、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮頸がんなどの婦人科の病気の有無や、流産や早産の原因にもなり得る婦人科疾患、不妊の原因にもなるクラミジアや淋病などの性感染症、妊娠初期の感染で胎児に先天異常を起こすリスクがある風疹ウイルスの抗体検査、ホルモンや甲状腺機能検査などさまざまな項目があります。
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妊娠の成立には、卵子と精子が出会い、受精して着床するまで多くの要素があります。、不妊は女性、男性それぞれに原因がある場合や、検査をしても原因が見つからない場合もあります。ブライダルチェックで分かる不妊リスクには、月経不順や無月経の原因となる排卵障害やホルモン異常、卵管閉塞の原因となる子宮内膜症やクラミジア・淋菌といった性感染症、着床障害の原因となるような位置にある一部の子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮奇形などがあります。
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生理不順や無月経の場合は、ホルモン検査などで原因を調べ、基礎体温も参考にしながら、妊娠しやすい時期に性交渉を持てるように排卵日を予測する「タイミング法」を指導していきます。また、妊娠に重要な卵子を包む「卵胞」の発育が自然周期では難しい場合、卵胞の発育を促す排卵誘発剤を使うことがあります。長く生理不順や無月経だった方は卵巣機能が低下している可能性もあります。また、なかなか妊娠できない方や本格的な不妊治療を望まれる方には、より詳細な検査や治療のために不妊専門のクリニックを紹介させていただいています。
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ブライダルチェックでは、普段、自覚症状がなくても1~2割の方に婦人科疾患や性感染症が見つかることがあります。最も多いのがクラミジア感染症ですが、最近では梅毒や淋病、トリコモナス膣炎も増えています。いずれも早期発見と治療が大事です。性感染症の場合は、妊娠前にご本人だけでなくパートナーも一緒の治療が必要です。早期治療で子宮や卵管周りの癒着リスクを減らせます。子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣のう腫などの婦人科疾患は病変の位置や大きさによっては妊娠を優先して定期的な経過観察でよい場合もあります。ただ、病状によっては手術が優先されるケースもあります。

婦人科の疾患があっても問題なく妊娠、出産される方も多くいらっしゃいますが、病変や婦人科の手術内容によっては妊娠中の合併症のリスクが上がることもあります。その場合は大きい病院での出産をお勧めします。また、子宮筋腫の手術内容によっては子宮を休ませるために半年以上の避妊期間が必要な場合もあります。

ブライダルチェックは女性の健康チェックです。結婚や妊娠とは関係なく受けることができます。定期的な一般婦人科検診や、パートナーが変わったタイミングで性感染症検査を受けておくことは、万が一、病気が見つかったとしても妊娠前に治療でき、計画的な家族設計の上でもとても大切と考えます。
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