女性のための健康セミナー

第3回アンチエイジングI ~抗加齢医学とは~(3月21日放送)

「抗加齢医学」とは「アンチエイジング」医学のことです。アンチエイジングというと、外見の若返りのイメージが強いと思いますが外見だけではなく、身体の内側から美しく、最も生き生きとした状態を維持することが目標となります。

年齢が同じでも、見た目が若く見える方と老けて見える方がいます。双子で遺伝子的背景が同じでも、生活スタイルの違いで老化の速度が異なります。医学的データから老化のメカニズムを解析し、ここ数年で抗加齢医学は急速に進歩してきました。病気を予防し、健康状態を引き上げて、生活や仕事のパフォーマンスを上げる「健康長寿」と「介護予防」の実現を目指した医学です。
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健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。健康寿命を延ばし、この差を減らすことがアンチエイジングの目標です。生活習慣病(メタボ、高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症)、骨粗鬆症、認知症などの病気は、40~50代から潜在的に存在していて、やがて発病するといわれており、これらは老化の原因となります。アンチエイジング医学では加齢や老化の兆候を早く見つけ、生活習慣の見直しや、サプリメントを含む栄養指導を通して、病的な老化を積極的に予防し、治療していきます。
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日本は長寿大国といわれ、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳で(世界2位)、女性は87.74歳で世界1位と報告されています。しかし、平均寿命と健康寿命の差は女性で12年、男性は8年で、この差はここ20年間で変化していません。高齢者の人口増加もあって要介護人口は増加し続けていることになります。アンチエイジング医学は、健康寿命を延ばすことでこれからの少子高齢化社会を支える医学となります。
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ご自分の体を調べるのには、抗加齢ドッグ(アンチエイジングドッグ)があります。従来の人間ドックはがんや生活習慣病の早期発見・早期治療が目的ですが、アンチエイジングドックではさらに加齢によって体に生じるさまざまな変化、老化の兆候や症状についても早期に発見して、理想的な健康状態に向けてサプリメント指導を含めた食事や運動指導、ストレスケアを行いながら、加齢や老化の予防を行っていきます。
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検査項目はクリニックによってさまざまですが、一般の検査項目に加え、血管年齢、ホルモン年齢、神経年齢、筋年齢、骨年齢、老化の原因となる酸化ストレス度、肌年齢などを評価します。

抗加齢学会は、内科、外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、婦人科、泌尿器科、歯科など各科にわたる全身的医学で、山梨でも内科や泌尿器科などの分野のアンチエイジング専門医をとられている先生が数名いらっしゃいます。ただ、都内ではアンチエイジングドックを行っている施設は多いものの、山梨にはまだアンチエイジングドックを専門に行う施設はほとんどありません。

当院では現在、婦人科の分野でホルモン検査やホルモン補充療法などの外来診療、ドクターズコスメや点滴療法、サプリメントなどの取り扱いを行っています。今後はさらにアンチエイジングドックができるように設備を整えていく予定です。
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