0を1にはできずとも。
たまにはお仕事のことも書かないと、いつか振り返った時に「遊んでばかりじゃないか」と過去の自分に落胆することになりかねないので。
スポーツ中継。
どの競技でも試合が始まってしまえば、「実況」という目の前のプレーを追いかけて伝えるということに終始するわけなんですが、今回書きたいのは、試合が始まる「まで」と終わった「あと」のこと。
放送において最も重要なのはゲームの行方なので、それよりも注目してほしいとは言わないまでも、ぜひ、頭の片隅に小さじ「ひとすくい」ほどでもいいので置いておいていただけないでしょうか。実は、結構「こだわって」います。。。
放送時間によって試合開始まで何分あるか、終わってから何分残っているかが違うのでここも腕の見せ所なんですが、30秒ほどしかなかったり、はたまた10分近くあったりとまちまちでして。
いかにその時間でこれから始まる試合の魅力を伝えることができるか。見ている人、聞いている人を引き込むことができるか。メッセージを残すことができるか。
想像で好き勝手にしゃべるわけにはいかないので、僕はデータだったり取材で得た競技者の想いだったり、解説者の見立てやメッセージを紹介するようにしています。
当たり前ですが、「試合が始まるまでに伝えたいデータ 45秒以内で紹介」と検索したところで答えがネット上に転がっているはずもなく、取材の時に「番組が終わるまでに伝えたい思いを教えてください」なんて残念な質問ができるはずもなく。
様々な角度から自分なりにアプローチしていって、最終的に話し手が練り上げていきます。
これはある種、作文みたいなもの。拾い集めた部品をあーでもない、こーでもないと頭を捻らせて組み立てます。
ここに話し手の言葉のチョイスや構成のこだわりがたんまりと詰まっているわけで。
0を1にはできないけれど、1を10にして輝かせることは努力でできるはず。まだまだ駆け出しですが、そう思った次第です。
2020年8月27日 10:36