新しきを知り、古きを知ることもしばしば
今回もカメラの話。
前回のダイアリーで、新しいミラーレス一眼が欲しいなんて話を書きましたが、その気持ちは今も揺るがず。タイミングを見て手にしたいなと思う今日この頃。
改めて手元には、学生時代にバイト代をかき集めてなんとか買ったデジタル一眼レフと、約半世紀前のフィルムカメラ。
後者は僕の祖父が趣味にしていたもので、それを父親が受け継ぎ、それをまた僕が譲り受けたというもので。
祖父は僕がまだこの世に生を受けて3年ほどの頃に他界しているので、カメラをいじっていたなんてことは覚えていないのだけれど、その機材をみれば熱心に取り組んでいたんだろうなということは容易に想像がつくわけで。
で、その譲り受けた機種というのが「Nikon FA」。発売は1983年。
今では当たり前のプログラムオート、絞り優先、シャッタースピード優先、マニュアルという撮影モードをNikonのフィルム機で初めて搭載していたり、マルチパターン測光を世界で初めて取り入れたりと、当時の最新技術を詰め込んだという機種。
この機種を父から譲り受けたときは、今書いたことのすごさを何一つ理解していなかったし、撮影したとしてもプログラムオート(今思えば、このモードもすごいのだが)しか使っていなくて、その性能を全く引き出していなかったなと。
一度、デジタル機でそのあたりの機能の使い方を理解したことで、「なんとなく」は使えるんじゃないかと思い立ち、久しぶりにフィルムを詰めてみました。
改めて気づきましたが、デジタルだと撮ってすぐにモニターで確認して、「あー、ピントがあってないわぁ」とか「いらんもん写ってるわぁ」とか言いつつ失敗してもすぐ消せるし、SDカードの容量を多くしておけばいくらでも撮れるので何も考えずにシャッターを切れますが、フィルムはそうはいきません。
27枚のフィルムがだいたい1000円くらいで、現像するのにまた1000円くらいかかって…と、妙にお金が視界をよぎります。
天国でおじいちゃんが「そんなこと考えていては上達せん!!」と怒っていそうですが、
デジタルに慣れてしまった故、シャッターを切るたびに「チャリンっ」と小銭の音が聞こえてきます。。。
で、27枚撮り終えてまともに人様に見せられるような写真は、ほんの数枚。
こりゃ新しいカメラを買う前に腕を磨かないと、と気づく30歳の秋。
2020年10月14日 11:17