2023年6月23日放送
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2023年6月23日放送

こちらで放送内容を聴くことができます

 

 

 

 

夏山登山の注意点

 

小松 本格的な登山シーズンが到来しました。富士山の山開きも71日、来週末と迫っています。きょうは安全に登山を楽しんでもらうために必要な登山計画書の提出と、南アルプスマイカー規制について詳しいお話を、県観光資源課 山岳観光担当 久島 祐介(くしま ゆうすけ)さんに伺います。よろしくお願いします。

 

久島 よろしくお願いします

 

小松 この夏初めて登山を楽しむという方もいらっしゃるかと思います。登山をする際に、提出が必要な登山計画書について伺いましょう。まず、登山計画書はどのような登山で必要なのでしょうか。

 

久島 県では登山者の皆様の安全を確保するため、登山の届出などを定める「山梨県登山の安全の確保に関する条例」を平成29年に制定しました。この条例では、県内の一部の山域で登山計画書の提出をお願いしております。

登山計画書の提出が通年で「努力義務」の山域は富士山(概ね六合目以上以上)・八ヶ岳(赤岳、権現岳、編笠山)・南アルプス(白根三山、鳳凰山、甲斐駒ケ岳等)です。また、冬場の121日から331日までの期間は、登山計画書の提出が「義務」となっています。

 

小松 登山計画書には、どういったことを書くのでしょうか?

 

久島 登山計画書には、登山者全員の名前や住所、年齢の他、登山の期間や行程、携行する装備品や食料、緊急時における連絡先などを記入していただきます。一緒に登らないご家族などにも計画を伝えることで、万が一の場合にも迅速な対応ができます。またルートや宿泊先などを記載して提出することで、迅速な救助活動にもつながります。

 

小松 さきほど名前が挙がった山以外の山に登る場合は、登山計画書の提出は不要ということなんでしょうか。

 

久島 いいえ、どのような山でも事故の可能性はあります。

登山計画書が届いていますと、事故が起きたときに、円滑な救助活動につながりますので、登山計画書の作成、提出は登山者の責務として皆様にお願いしています。この書式は県のホームページからダウンロードができます。作成した登山計画書を県の観光資源課までメール等で送付すれば提出できます。

 

また、日本山岳ガイド協会が運営するサイト「コンパス」で、オンラインで登山計画が提出できます。この場合は事前の登録が必要ですのでご注意ください。

 

小松 自分の身を守るためにも計画の作成は重要ですね。登山計画書を作るにはどのような注意が必要でしょうか。

 

久島 まず登る山はどんな山か、また登山にはどんなリスクがあるか知ることが大切です。県ではホームページで、登山者が守るべきルールを紹介しています。また、登山初心者の方でも本県の豊富で素晴らしい自然を楽しんでもらうために「やまなしハイキングコース100選」を冊子とホームページで紹介していますが、その中で、登山計画の立て方、荷物や登山中の飲食物などの装備、疲れない歩き方などを紹介しています。

 

一部紹介しますと

1つめは「体調に不安がある場合は絶対に入山しないこと」です。

体調が悪いときの登山は遭難や事故を招きやすいため、少しでも風邪の症状があったら入山を控えてください。また、登山中に想定される怪我や持病に合わせた応急処置の装備を携行するなど、自分救助セルフレスキューを心がけてください。

 

小松 2つめは?

 

久島 「山小屋・テント場の営業確認、事前予約を徹底すること」です。山小屋が営業していない場合は飲み水が確保出来ません。悪天候時に避難が出来なくなることが考えられます。

 

そして3つめは「十分に難易度を落とした山選びをすること」です。

登山中に体調を崩すと、救助・医療体制に負担をかけ、山小屋の営業にも影響を与えます。この3つのほかにもルールがありますので、是非一度、県のホームページや「やまなしハイキングコース100選」をご覧になってみてください。

 

小松 山は安全が保証されている場所ではないということを十分理解して、準備を重ねてほしいですね。

さてつづきまして、登山者の足、交通に関わる話題です。今日から始まりました、南アルプスマイカー規制について、詳しく教えてください。

 

久島 南アルプスマイカー規制は、登山に訪れるみなさんが、貴重な自然を保護しながら、交通渋滞もなく快適な時間を過ごしていただけることが目的としており、今年も本日から実施しています。規制区間は、県営林道南アルプス線 南アルプス市芦安・夜叉神ゲート ~ 広河原までそして県道南アルプス公園線 早川町奈良田・開運ゲート ~ 広河原までとなります。 

 

小松 どのような車両が規制の対象ですか。

 

久島 規制対象は、許可車両・緊急車両を除くすべての車両です。自家用車だけでなく、観光バスや二輪車、自転車もマイカー規制の対象です。通行が可能なのは、路線バス、乗合タクシー、一般タクシーです。マイカーで来られる方は、指定の駐車場から、バスやタクシーに乗り換えが必要です。駐車場は、県営林道南アルプス線は芦安駐車場、県道南アルプス公園線は奈良田駐車場です。

 

小松 規制期間と通行可能時間を教えてください。

 

久島 規制期間は、きょうから115日(日)まで。通行可能時間は、午前530分~午後6時までです。登山計画を立てる上でも、ぜひ確認をお願いします。

 

小松 県では、南アルプスマイカー規制の期間中、利用者に協力金をお願いしていると聞きました。

 

久島 南アルプスの自然環境の保全等を図るため、マイカー協力金」を規制区間の利用者の皆様にお願いしています。

協力金は規制区間の通行1回につき、1300円です。小学生以下は無料です。路線バスやタクシーを利用する際には利用料金とは別に協力金がかかりますので、ご理解の上ご利用をお願いします。

 

小松 協力金はどのような目的に使われるのでしょうか。

 

久島 利用者協力金は、南アルプスの豊かな自然環境の維持と交通渋滞をなくすためのマイカー規制の運営経費の一部として、ご負担をお願いしています。

 

小松 山頂からのすばらしい景色や登山のだいご味を味わうため、観光資源の保護は不可欠です。ぜひご協力をお願いします。南アルプスマイカー規制と登山計画書の提出については県のホームページでも詳しく紹介されています。ぜひご確認ください。

 

きょうは、夏山登山の注意点について、県観光資源課 山岳観光担当 久島 祐介(くしま ゆうすけ)さんとお伝えしました。ありがとうございました。

 

久島 ありがとうございました。

 

 

次回は7月28日(金)17時15分放送

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