2023年10月27日放送
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2023年10月27日放送

こちらで放送内容を聴くことができます

 

 

 

女性に対する暴力をなくす運動

 

小松 配偶者やパートナーから女性に振るわれる暴力「DV=ドメスティックバイオレンス」の相談件数が、コロナ禍以降も高い水準にあるといいます。また、11月は「女性に対する暴力をなくす運動」も行われます。そこできょうは山梨県の相談窓口や対策について、男女共同参画・共生社会推進担当、深沢あさひさんとお伝えします。深沢さん、よろしくお願いします。

 

深沢 よろしくお願いします。

 

小松 まずは、DV=ドメスティックバイオレンスとは、どういった暴力を指すのか教えてください。

 

深沢 DV=ドメスティックバイオレンスとは、配偶者や内縁のパートナー、交際相手などから振るわれる「暴力」をいいます。「殴る、蹴るといった身体的暴力」だけでなく、「大声でどなる、馬鹿にする、無視をするといった精神的暴力」、「性的関係を強要する、避妊に協力しないといった性的暴力」、「生活費を渡さない、借金を重ねるといった経済的暴力」などDVと言われる暴力は多岐にわたっています。

 

小松 コロナ禍で相談件数も増えているそうですが、どのように推移しているでしょうか。梨DWATの立ち上げには、どんな背景があるのでしょうか。

 

深沢 内閣府の発表によると、DVの専門相談窓口である全国の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数は、令和2年度が129491件と過去最多で、続く令和3年度、4年度も12万2000件台と高い状態で推移をしています。

 

小松 全国で12万件も相談があるのですね。山梨県の状況はいかがですか。

 

深沢 山梨県も、全国と同様に推移していまして、令和2年度の相談件数が1607件と最も多く、令和3年度は、1241件、昨年度は1117件という状況です。また警察への相談についても山梨県は毎年200件を越えており、深刻な状況が続いています。

 

小松 国や県ではどのような対策を行っているのでしょうか。

 

深沢 近年相談が増加していることを受け、国の「女性版骨太の方針2023」にも、DVや性暴力の対策強化が盛り込まれました。今年はより大きな連携で、1112日から25日までの「女性に対する暴力をなくす運動」が実施されます。山梨県でも11月にはさまざまなイベントを予定しているほか、「DV」や「性暴力」についてその防止や、県が設置している専門的な相談窓口について周知をしたいと考えています。

 

小松 県の相談窓口がアクセスしやすいと思います。詳しく伺えますか。

 

深沢 山梨県には配偶者暴力支援センターが2ヵ所、山梨県女性相談所と、県男女共同参画推進センター「ぴゅあ総合」にあります。また性暴力についての相談窓口、やまなし性暴力被害者サポートセンター「かいさぽももこ」が開設されています。

 

小松 性暴力の専用窓口が設けられているんですね。

 

深沢 はい。女性への性暴力は、デートDVなど若年層の交際でも問題となっており、深刻な状況です。性暴力は、よく知っている相手からでも、知らない人からでも、望まない性的な行為は、全て性暴力にあたります。性暴力をふるわれたときは、まず「かいさぽももこ」にご相談ください。

支援機関と連携して、産婦人科医療、カウンセリング、法律相談、警察への付き添いなど、総合的なサポートを秘密厳守で行います。

 

小松 心強いサポートがあるんですね。具体的に教えていただけますか。

 

深沢 「かいさぽももこ」では、「相談」「支援のコーディネート」「同行支援」の3つの柱で、被害にあわれた方をサポートします。

相談は電話、面談、メールで受け付け、女性相談員が対応します。各機関と連携した支援では、臨床心理士らによるカウンセリングや、産婦人科病院などで緊急避妊や性感染症検査などが受けられます。法律相談では、告訴や賠償請求手続き等について弁護士に相談ができます。このほか、支援機関との連絡や調整も被害にあわれた方の気持ちを大切にしながら行います。

 

小松 それでは「かいさぽももこ」の電話番号を教えてください。

 

深沢 「かいさぽももこ」には全国共通番号の短縮ダイヤル「♯(シャープ)8891」でつながります。「はやくワンストップ」で覚えてください。携帯電話や固定電話で「♯8891」に電話をかけると、その場所から最寄りの支援センターに通話無料でつながります。また、直通の相談専用ダイヤルもあります。番号は055-222-5562です。こちらは通話料がかかります。

 

小松 相談受付の日時はどうなっていますか。

 

深沢 「かいさぽももこ」の相談受付は平日の月曜から金曜の午前9時から午後5時までですが、この時間以外や土日・祝日にかけていただくと、国のコールセンターが対応します。こちらも秘密厳守で相談をお伺いしますので、24時間いつでもご相談いただきたいと思います。

 

小松 ぜひ相談について、県の対策について知ってほしいですね。

 

深沢 県では来月1112日からの「女性に対する暴力をなくす運動」に合わせて、講演会や展示などを行います。1111日午後2時からは、甲府市朝気の「ぴゅあ総合」で、一般社団法人 彩の国子ども・若者支援ネットワーク、通称“アスポート”から講師を招き、講演会を行います。DVの背景にある問題は1つではなく、子どもへの虐待や貧困、ヤングケアラーなど、様々な課題が複雑に絡み合い、誰にも助けを求められずに苦しんでいる方がいます。多くの方にまずはそれを知っていただきたいと思います。入場は無料ですので、ぜひご参加ください。

 

小松 そして11月には、運動のシンボルカラー「パープル」にちなんだ展示も見られるようですね。

 

深沢 はい。男女共同参画推進センターのぴゅあ総合、ぴゅあ富士、ぴゅあ峡南では、来月1日に「パープルリボンツリー」の掲示が始まり、11月末まで1カ月間、啓発パネルも掲示されます。また、1121日から27日までの1週間、県庁別館と議事堂をはじめ連携する市町村で、シンボルカラーの「パープルライトアップ」が行われます。このほかにも様々なイベントを予定しています。詳しくは、県のホームページでもお知らせしていきます。

 

小松 11月の街を彩るパープルカラーを見つけたら、話題にあげたり、理解につなげたりしてほしいですね。

 

深沢 はい。潜在化するDV、性暴力の問題を解決するためには、みなさんの理解が欠かせません。悩みを抱える女性にも、相談できる場所があること、一人で悩まなくていいことを知っていただきたいです。

 

小松 今日は、山梨県男女共同参画・共生社会推進担当の深沢あさひさんとお伝えしました。深沢さん、ありがとうございました。

 

 

次回は11月24日(金)17時15分放送

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