2023年11月24日放送
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2023年11月24日放送

こちらで放送内容を聴くことができます

 

 

 

性の多様性について理解を深めよう

 

小松 今月1日、性的マイノリティの方々が互いにパートナーであることを宣誓し公的に証明する「山梨県パートナーシップ宣誓制度」が導入されました。多様な性のあり方を認め合い、互いを尊重する社会に変わろうとしています。この時間は、性の多様性への理解を深める山梨県の取り組みについて県男女共同参画・共生社会推進統括官の 岩間 雄星(いわま ゆうせい)さんとお伝えします。岩間さん、よろしくお願いします。

 

岩間 よろしくお願いします。

 

小松 山梨県パートナーシップ宣誓制度が導入されました。初日に宣誓が認められたカップルの声から喜びが伝わってきましたね。

 

岩間 今は、多様性を認めお互いを尊重することで誰もが個性や能力を発揮できる社会が求められています。県では「山梨県多様性を認め合う共生社会づくり条例」のもと、今月1日にこの制度を導入しました。この制度は、性的マイノリティのカップルがお互いが人生のパートナーであることを県に宣誓し、県は宣誓書受領書を交付して、宣誓があったことを証明するものです。

 

小松 宣誓するには、県内で居住することや、ともに成年であること、他にパートナーシップを結んでいないことなど要件もあります。詳しい手続きが、県のホームページで確認できますので参照してください。そして県では、性の多様性について基本から学べるパンフレットを作成されたそうですね。

 

岩間 はい。県では「性の多様性理解促進に関するパンフレット(LGBTQ+に関するパンフレット)」を作成しました。まだまだ性の多様性についての理解が進まず、性的マイノリティの方が、特に職場や学校で、困難に直面する機会が多いとされています。

そこで県では企業向けと高校生向けにパンフレットを作成しました。

 

小松 基本的なことから理解できる内容になっていて、最初の項目では「性を構成する要素」について解説されています。なじみが薄い言葉もありますが、知っておきたい内容ですね。

 

岩間 「性を構成する要素」についてですが、性のあり方には、4つの要素があります。一つ目は「法律上の性」。生まれたときに割り当てられ、戸籍に書かれた性です。二つ目は、「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」。自分が認識している性です。三つ目は、「性的指向」。自分の恋愛感情や性的な関心がどの性に向けられているかというものです。そして四つ目は、「性的表現」。服装や髪型、言葉遣いやしぐさなど、自分の性別をどのように表現するかというものになります。

 

小松 今聞いただけでも、性のあり方を「男性」・「女性」という2通りのみで表すのは、難しいことがわかります。次の項目では、最近よく聞く「LGBTQ+」について紹介されています。

 

岩間 「LGBTQ+」は、多様な性のあり方の言葉です。「LGBTQ+」のLは、レズビアンのLで、性自認が女性で性的指向が同性に向く人です。Gは、ゲイのGで性自認が男性で性的指向が同性に向く人です。Bは、バイセクシャルのBです。性的指向が男性、女性両方に向く人です。Tは、トランスジェンダーのことで、生まれたときに割り当てられた性別と、性自認が異なる人です。そしてQは、自分の性のあり方がわからない、性を決めていない人である「クエスチョニング」、多様な性のあり方をすべてまとめて表す言葉である「クィア」の頭文字です。「LGBTQ+」の+は、まだまだこの枠にあてはまらない性があるということを表しています。

 

小松 まだまだ多様な性が存在するかもしれないわけですね。パンフレットでは、職場や学校でどう取り組めばいいか、アドバイスが書かれています。

 

岩間 まず企業ですが、職場の誰かに自分が性的マイノリティの当事者であると伝えている人は、全体の1割程度しかいないといわれています。社会や職場での差別・偏見を恐れ、周囲に伝えていない場合もありますので、まずは、自分のまわりにもいるかもしれない、という認識を持つことが大切です。

 

また、同性パートナーが利用できない介護休暇制度などの、制度面の見直しを考えていくことも大切でしょう。制度以外にも企業の風土を変えるには、トップの宣言や、当事者の困りごとを学ぶ機会を作るなど、できる取り組みから始めてみましょう。

企業は、従業員だけでなく、取引先、お客様、そのご家族にも当事者がいるかもしれないという認識で、サービスや社内制度の見直しを行いましょう。

 

小松 続いて、学校での配慮についてはいかがでしょうか。

 

岩間 学校では、LGBTQ+や性の多様性が授業で取り上げられたり、性別で限定せず好みで制服が選べたりといった取り組みも広がりつつあります。一方で、教室での会話で、自分の周りには当事者がいないと思い込んで、LGBTQ+の人々を尊重しない発言をしてしまっている場合もあります。特に学校では「カミングアウト」と「アウティング」に留意してほしいです。

 

小松 「カミングアウト」はLGBTQ+の人が自分の意思で自らの性のあり方を他者に伝えるもので、「アウティング」は、当事者の性のあり方を本人の許可なくほかの誰かに暴露してしまう行為ですね。

 

岩間 先ほどお伝えしたように、社会や職場での差別・偏見を恐れ、カミングアウトすることを望まない人もいますが、特にLGBTQ+の若者は、同級生にカミングアウトするケースが多いとされています。

当事者が相手を信頼して、勇気を出して行ったカミングアウトを、本人の許可なく誰かに暴露してしまう「アウティング」という行為は、プライバシーを侵害する行為で、当事者の命にも関わるような、重大な影響をもたらす場合もあります。決して行ってはいけません。パンフレットでは、カミングアウトしたいとき、カミングアウトをされたときの向き合い方も掲載しています。

 

小松 パンフレットは、山梨県のホームページからダウンロードできますので職場や学校以外でも広く活用いただきたいですね。

さて、当事者が安心して相談できるところはあるのでしょうか。

 

岩間 電話などによる相談窓口があります。一つは「よりそいホットライン」です。電話は0120-279-338で、性的マイノリティの悩みは専用回線4番でつながります。このほかオンラインでの相談窓口もあります。検索サイトで「LGBTQ+いのちの相談窓口」と検索すると専用ホームページに繋がります。いずれも通話料、相談料は無料です。ぜひ小さなことでもご相談いただきたいと思います。

小松 当事者のみなさんが、安心して活躍できるよう、それぞれの違いを尊重する行動をとりたいものです。

この時間は、山梨県男女共同参画・共生社会推進統括官の岩間 雄星(いわま ゆうせい)さんとお伝えしました。

岩間さん、ありがとうございました。

 

岩間 ありがとうございました。

 

次回は12月22日(金)17時15分放送

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