どんなときも安心して暮らせる山梨をめざして!山梨県の防災関連情報をコンパクトにお伝えする月に一度のラジオ番組。県民の備えにプラスとなる情報や話題をお届けします。

 

毎月第4金曜 17:15-17:25放送

 

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2023年9月22日放送

こちらで放送内容を聴くことができます

 

 

 

 

避難所生活を支援する福祉の専門チーム!山梨DWAT!

 

小松 9月は防災月間です。近年、多くの自然災害が発生し、各地に甚大な被害をもたらしていますが、災害時、避難所で福祉の支援を行う専門チーム「山梨DWAT(ディーワット)」が発足したことをご存じでしょうか。きょうはこの「山梨DWAT」の役割、活動につきまして、福祉保健総務課の 渡辺 智人(わたなべ ともひと)さんとお伝えします。渡辺さんよろしくお願いします。

 

渡辺 よろしくお願いします。

 

小松 「山梨DWAT」の「ディーワット」はアルファベットのDWATと書きますが、どんな意味なのでしょうか。

 

渡辺 DWATとは、Disaster(ディザスター) Welfare(ウェルフェア) Assistance(アシスタンス) Team(チーム)の頭文字を取った名前で、「災害派遣福祉チーム」を意味します。このチームは、介護福祉士や社会福祉士、保育士など福祉の仕事に従事している方で構成され、発災時には、避難所などに、1チーム5人ほどで派遣され、福祉面の支援が必要な人の相談に乗ったり、福祉サービスにつなげたりして支援します。

 

小松 山梨DWATの立ち上げには、どんな背景があるのでしょうか。

 

渡辺 東日本大震災では、地震や津波などの直接的な被害を免れたものの、その後避難所生活が長期化したことで、生活機能が低下したり、体調を崩して亡くなられた方が3,000人を超えました。この教訓から、高齢者や障害のある方などが、避難所で困難なく過ごせて、避難生活を終えてからも、安定した日常生活に移れるよう、福祉面の支援の重要性が高まりました。

 

小松 福祉の専門職で構成されているということですが、どの機関が運用しているんでしょうか。

 

渡辺 山梨DWATの発足、運用に関して県は、昨年4月から県社会福祉協議会や、県内の各福祉団体で構成する「山梨県災害福祉支援ネットワーク会議」を立ち上げて、ここが主体となり山梨DWATの派遣を行うこととなりました。今年3月に第1回の研修を受けた41名により活動が始まり、今月2回目の研修が行われ、現在、チーム員80人程度にのぼっています。

 

小松 避難所などに派遣されるということですが、どのような支援を行っていくのでしょうか。

 

渡辺 まず、避難所の生活で支援が必要な方、高齢者や障がいのある方、乳幼児を抱えるご家族などの数、そして、それぞれが必要な支援について把握することから始まります。一般の避難所では必要な支援が受けられない方は、体制が整っている福祉避難所に誘導したり、支援が必要な方の状況、「家族構成」や「要介護度」「病歴」「服薬状況」などを聞き取り、支援につなげます。

 

小松 避難所での孤立も防げそうですね。

 

渡辺 はい。皆さん福祉の専門職ですので、質問して答えを聞くだけでなく、体温や血圧を測定しながら、薬は足りているか、生活上のお困りごとはないか、などコミュニケーションを取りながら聞き取りすることが可能です。その上で、食事やトイレ、入浴の介助といった、日常生活で必要な支援を行っていきます。

 

小松 避難所では地域の保健師やボランティアもいるかと思いますが、DWATならではの役割もあるんでしょうか。

 

渡辺 手続きや介護・介助・保育に長けた皆さんですので、福祉避難所へ誘導だけでなく、デイサービスや病院に送り出したり、自治体と連携して福祉サービスにつないでいくこともできると考えています。また、避難所の環境整備も山梨DWATの役割の一つです。

 

小松 避難所の環境整備ですか?

 

渡辺 はい。たとえば車いすが通りやすいように通路を確保したり、段差をなくすといったこと、乳幼児を持つお母さんには授乳スペースも必要です。また、避難所の生活が長期化する場合、必要なものやお困りごとも時間の経過で変わってきますので、避難所に相談コーナーを設けるなどして対応します。このほか生活機能を低下させないために、介護予防の体操教室を行ったり、お子さんのストレスを減らせるようなスペース、遊びの場を作っていく、そんなサポートも役割に入ってくるかと思います。

 

小松 多岐にわたってサポートしてくださる「山梨DWAT」ですが、災害が発生した後、どのような流れで派遣されるのでしょうか。

 

渡辺 各地で、台風・地震・火災や噴火などの大規模災害が発生し、被災した市町村から山梨県に要請があった場合などに、県が派遣の検討と決定を行います。派遣が決まると、山梨DWAT事務局の県社会福祉協議会が、福祉の各専門職を組み入れた、一組5名ほどのチームを作り、現地に派遣する、という流れです。

 

小松 災害の状況によりますが、1回の派遣で何日くらい活動するのでしょうか。

 

渡辺 1チームあたり3日間から5日間派遣される見込みです。山梨DWATの派遣は1カ月ほどに渡り、次のチームと交替しながら、サポートに入るイメージです。派遣中にかかる経費や保険の加入についても県や市町村などで負担し、活動をバックアップします。

 

小松 山梨DWATのチーム員の募集はまだありますか?

 

渡辺 はい。今月で登録は増えましたが、引き続き募集していく予定です。福祉の専門職に従事される方が対象です。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士などの資格を持ち、従事されている方、そのほか、相談支援専門員、介護職員、地域包括支援センターの職員なども対象となります。登録には指定の研修を受講することも必要です。講義と演習による1日の研修になります。

 

小松 申込みはどちらにしたらいいでしょうか。

 

渡辺 申込み先や研修開催日などについては、決まり次第「山梨県災害福祉支援ネットワーク会議」の構成団体を通じてお知らせする予定です。活動の詳細や手続きについては県の福祉保健総務課、社会福祉協議会のホームページでも紹介しています。

 

小松 お電話でのお問い合わせは、山梨県福祉保健総務課 電話055-223-1443、または山梨県社会福祉協議会 電話055-254-8610までお願いします。県民の皆さんにぜひ、山梨DWATについて知っていただきたいですね。

 

渡辺 はい。県民の皆さんに知っていただくことで、支援が必要な方を山梨DWATにつなげていただくことができます。日ごろ、支援とは無縁という方も、避難所生活ではサポートが必要な場合がありますので「山梨DWAT」について理解を深めてほしいと思います。

 

小松 きょうは、山梨DWATの活動、役割について、福祉保健総務課の渡辺智人(わたなべ ともひと)さんとお伝えしました。渡辺さん、ありがとうございました。

 

 

次回は10月27日(金)17時15分放送

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